がんの痛みってどのくらい辛いの?痛みはコントロールできる?

2018/7/10

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

がんが進行すると痛みを伴うということは知られていますが、実際に経験しない限りは、どの程度・どんな風に痛いのか想像しにくいですよね。
そこで今回はがんによる痛みについて、痛みをコントロールする方法などとあわせて解説していきます。

がんの痛みってどんなもの?どれくらい辛いの?

がんによる痛みには「がんそのものが臓器・細胞に与える痛み」と、手術や化学療法・放射線療法による副作用など「がん治療に伴う痛み」の2種類に大別できます。
「がんそのものによる痛み」はある程度がんが進行することによって、また「治療による痛み」はがんの進行に伴う治療によって、感じるようになるといわれています。

いずれにしても、末期になるとがん患者の約7割が何らかの痛みを身体に感じていて、そのうち8割は耐え難いほどの激痛を感じているそうです。

しかし、がんによってどこがどんな風に、どの程度痛いのかを想像することは医師や家族でも難しいため、患者本人が自分の言葉で伝えなければなかなか伝わりません。患者自身が痛みをできるだけ具体的に伝えることが、痛みを和らげるためのケアを受ける上で非常に重要になります。

がんの痛みをコントロールする方法は?

がんによる痛みをコントロールする方法はさまざまで、医師や看護師は患者が訴える痛みの程度によって、以下の複数の方法を使い分けて対処します。

痛み止め薬を投与する方法
アスピリンなど一般的な鎮痛薬や、医療法モルヒネなどを投与し、がんによる身体的な痛みを緩和するケア方法です。
神経ブロック注射を行う方法
頸部に特殊な注射をうち、痛みの原因となる神経を麻痺させることで、がんの痛みを緩和させるケア方法です。
放射線や経皮的椎体(けいひてきついたい)形成術を行う方法
強い痛みを引き起こす骨などに転移したがんに対し、放射線照射や骨セメントを注入する経皮椎体手形成術を行うことで、痛みを緩和するケア方法です。
筋肉のこわばりをほぐす方法
筋肉がこわばると痛みを身体の痛みを感じやすくなるため、マッサージや鍼灸などで身体のこわばりをほぐし、痛みの緩和を図るケア方法です。
心理的不安を軽減する方法
がんという病気そのものや死への恐怖から痛みが増長されるケースもあるため、看護師や心理士によるカウンセリングや、抗不安薬などを投与するケア方法です。

医療用麻薬って使って大丈夫なの?

がんの緩和ケアの一環として痛み止めにモルヒネを使うこともありますが、これは医師が用法・用量を守って投与する医療用のものです。あくまで痛み緩和のために使用するものなので、医療用麻薬が原因で中毒になる、寿命が縮むなどの健康上の悪影響が生じるものではありません

患者の痛みのケアを最優先に考え、安心して使用してください。

薬以外に痛みを和らげる方法はある?

一般的に、がんの痛みを和らげると聞くと「鎮痛薬」「医療用麻薬・モルヒネ」など薬に頼る方法がイメージされがちですが、他にも選択肢はあります。例えば前述したマッサージや鍼灸など東洋医学的なアプローチや、心理的なアプローチも、患者の心身の負担を軽減するうえで非常に有効です。

がんの痛みを抱えたままでは眠ることもできず、回復に余計に時間がかかるかもしれません。薬を使うことへの抵抗や、緩和ケアへの懸念を優先するのではなく、痛みを緩和して少しでも早く回復できる方法を、医師とともに検討してください。

おわりに:がんによる強い痛みを緩和する方法は、複数ある!

がんはある程度進行すると、強い痛みを伴うことで知られています。痛みのために眠ることも食べることも難しくなり、体力が落ちていくケースも珍しくありません。そんなとき、患者の痛みと負担を軽減し、体力回復に役立つのが緩和ケアです。強い薬や医療用麻薬を使うイメージから敬遠されがちですが、薬以外にも痛みを緩和する方法はあります。この記事をよく読み、がんの痛みを緩和する方法の理解に役立ててください。

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