血液検査だけを受ければ、がんかどうかわかるって本当?

2018/7/18

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

日本人の死因の第一位は「がん」といわれており、がんは早期発見が非常に重要とされています。では、がんは血液検査をするだけでわかるものなのでしょうか?発見に必要な検査などを詳しく解説します。

血液検査でがんがわかるって本当?

まず、採血してさまざまな異常を調べるのが「血液検査」で、この結果によって主に貧血、肝臓や腎臓の異常、高脂血症、糖尿病などの病気がわかります。

そして、一回の採血で同時にがん細胞が作りだす物質を測定する「腫瘍マーカー検査」という検査があります。腫瘍マーカーとは、がん細胞が作りだす異常なタンパク質のことで、特定のがんに反応するものや複数のがんに反応するものがあります。ただ、がんの発症の有無を知るには、複数の腫瘍マーカーや画像検査などの結果を合わせ、総合的に判断することになります

がんは症状が出るころにはかなり進行してしまっていることから、症状がでる前の段階で見つけることが大切といわれています。そのためには、早期発見が可能な検診を受ける必要があり、腫瘍マーカー検査は一回の採血で同時に18種類のがんについて調べられる有効な検査とされています。

血液検査さえすれば、がんになってるかどうかはわかる?

残念ながら、血液検査による腫瘍マーカーだけでがんを早期に発見することはできません。もともとこの検査は、進行がんに対する抗がん剤治療の効果測定やがん再発の目安に用いられるものです。つまり、がんがかなり進行してはじめて腫瘍マーカーが陽性になることがほとんどで、そのような段階であっても正常値を示したり、逆にがんがなくても値が上昇することもあります。

例外的に前立腺がんについては腫瘍マーカーである「PSA」で早期発見が可能ですが、その他の初期段階で自覚症状の出にくいがんでは期待できません。数多くのマーカーを網羅的に調べ、それを経時的にチェックして各マーカー値の組み合わせや経時的な微妙な変化などから、がんの早期発見に結びつけていきますが、早期発見に有効なのは内視鏡検査やPET/CT検査などの画像診断になります。

がんかどうかを知るためには、詳しい検査を受けることが必須!

がんの検査にはさまざまなものがあり時間もかかりますが、がんを確定し適切な治療を行うには、検査は必要なステップです。がん治療では「効果を最大限に得ながら、身体への負担を最小限にする」ことを同時に目指す必要があり、そのための検査も必要となります。気になる症状があれば、早めに病院で検査を受けましょう。

がんの疑いがある場合には、担当医による病歴を含めた問診と診察、より詳しい情報を得るための血液検査や画像検査、必要に応じて病変の一部を採取して調べる病理検査が行われ、最終的にがんの診断が確定されます。そして、治療方針を検討するために病変の広がりを調べ、同時に治療が受けられる状態か評価するために全身の検査も行われます。

検査の内容や治療の進め方はがんの種類や場所によって異なりますが、ほとんどの場合、複数の検査結果を組み合わせ、個別の状態に応じて治療方針が決められます。

おわりに:がんを確定するには詳しい検査が必要。気になる症状があれば早めに受診しよう

残念ながら、ほとんどのがんは血液検査(腫瘍マーカー検査)だけでわかるものではなく、画像検査や病理検査などの検査を組み合わせることが必要となります。早期発見が重要なので、定期的に検査を受けるようにしましょう。

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