飲酒で血圧は低下する? 飲酒と血圧の関連性について

2018/7/11

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

飲酒をすると顔が赤くなったり、体が熱くなったりしますが、このとき体内の血圧は上がっているのでしょうか?それとも低下しているのでしょうか?飲酒と血圧の関連性を中心にお伝えしていきます。

飲酒で血圧は低下する?それとも上がる?

意外に思われる方も多いのですが、飲酒後には血圧は一時的に低下するのが一般的です。特に飲むと顔が赤くなる人は血圧の低下の幅が大きく、脈拍数はかなり増えます。この顔の赤みは、アルコールを代謝する酵素の作用が遺伝的に弱いために、アセトアルデヒドという物質が血中で増え、血管が拡張したために起こるものです。

しかし、この血圧の低下は一時的な現象で、長時間飲酒を続けると血圧は上昇します。血圧と飲酒の関係について調査した研究によれば、アルコール約30mL(ビール大瓶1本や日本酒1合に含有されるアルコール量の目安)につき、血圧は3mmHg上昇するということがわかっています。そして日々の飲酒量が多ければ多いほど、血圧の平均値は上昇し、高血圧症になるリスクが高まるということも、多くの研究によって指摘されています。

飲酒後の血圧低下が意識障害を招く恐れも!

飲酒後は血圧が低下しやすくなりますが、この血圧低下は転倒や意識障害などを招く危険性のあるものです。

特に寒い時期は、飲酒後にお風呂に入ってしまうと血圧が急上昇し、湯船に浸かっているうちに急低下することで「ヒートショック」の状態に陥り、突然立ち上がると立ちくらみや転倒の恐れがあります。重度の場合は意識を失ったり、心筋梗塞や脳梗塞を起こして死亡してしまう可能性もあるので、特に体の弱い高齢者や成人病の持病がある人などは要注意です。

飲酒後の血圧低下や頭痛は「急性アルコール中毒」のサインのことも

飲酒後の一時的な血圧低下は一般的な現象ですが、特に飲酒習慣のない人が大量のお酒を一気飲みしたりすると、「急性アルコール中毒」を起こしたために血圧が低下することがあります。

急性アルコール中毒とは、短時間での大量の飲酒に対し、肝臓でのアルコール代謝が追いつかず、アルコールの血中濃度が急上昇するために諸症状が起こる現象です。昏睡状態に陥った場合は、吐瀉物が喉に詰まったり、呼吸困難に陥ったりして死亡する危険性があります。

急性アルコール中毒の主な症状は以下の通りです。

  • 意識の混濁、昏睡
  • 血圧低下
  • 失禁
  • 顔面や全身の紅潮
  • 発汗
  • 頭痛
  • めまい
  • 目のかすみ
  • 吐き気、嘔吐
  • 記憶障害(泥酔中のことを覚えていない)

おわりに:飲酒による血圧低下にはさまざまなリスクが

一般的には、飲酒後に一時的な血圧低下がみられます。しかし、中には急性アルコール中毒からくる血圧低下や、血圧低下後の入浴によるヒートショックなど、危険性を伴うものも存在します。飲酒量は適量に抑える、飲酒直後の入浴は控えるなど、事前に対策に努めましょう。

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