乳がんの皮膚転移ってどんな症状?患部のケアはどうすればいい?

2018/7/13

乳がんが皮膚転移すると、どのような症状が出るようになるのでしょうか?また、患部のケアはどのように行えばいいのでしょうか?皮膚転移した場合の治療法と併せて解説していきます。

乳がんの皮膚転移の初期症状は?

乳がんの皮膚転移は、乳房温存手術、全摘手術のどちらの術式でも起こる可能性があり、治療から2~3年後に発症する場合が約半数を占めるとされています。
残りの半数は、ホルモン感受性が陽性の場合で、ホルモン療法で抑制されていた症状が10~15年後に表に現れるケースとされています。

皮膚転移の症状

皮膚の表面が赤くなり、硬結やしこりなどが現れます。また、皮膚の表面がただれて潰瘍ができ、ジュクジュクとした浸出液や出血が起こるようになります。

なお、患部から分泌された浸出液に嫌気性菌や真菌が感染すると、悪臭が出ます。特に、がん組織が潰瘍化し感染した場合は独特の悪臭が発生し、患部が大きい場合や潰瘍が広範囲に及んでいる場合は浸出液の増加に伴い、悪臭が強まります。
また他にも、患部の傷の痛み、熱感、出血などの症状が起こることがあります。

乳がんの皮膚転移が起きた場合の治療法は?

全身治療

乳がんの皮膚転移に伴う痛みを緩和するためには、抗がん剤やハーセプチンなどを使用して全身治療を行うことが一般的です。
ただし、抗がん剤を用いることにより白血球が少なくなると、逆に感染しやすい状態となるため、化学療法が行えない場合もあります。

放射線

浸出液を減少させるために、総線量30グレイほどの放射線を照射する方法が使われることがあります。ただし、乳房温存手術の後に放射線を受けた場合は、照射した箇所と同じ場所に再び照射することはできないとされています。

外科手術

患部の周囲にはがんの芽が潜んでいる可能性が高いため、皮膚転移で外科手術を行うことは滅多にないとされています。

皮膚転移した患部の処置はどうすればいいの?

① 衣服の選択
皮膚への刺激や圧迫感を与えないように、ゆったりとした柔らかい素材の衣服を選びましょう。
② 創(キズ)になっていない場合のスキンケア
乳房に皮膚転移がある場合は、創部に柔らかいガーゼをあて、片胸帯やソフトブラジャーなどの圧迫感の少ない下着をつけるようにしましょう。また、皮膚の乾燥にも注意する必要があり、ガーゼを固定するためにテープを使用すると、剥離する時にびらんが形成される可能性があるため、なるべく片胸帯や包帯などで固定するようにしましょう。
どうしてもテープを使用する必要がある場合は、粘着力の弱いテープを創部周囲の健常な皮膚に貼り固定し、剥がすときにはゆっくりと刺激を与えないように剥がしましょう。
③ 創(キズ)になっている場合のスキンケアと創保護
皮膚転移の創は浸出液による悪臭が特徴的なため、それらをコントロールすることが重要となります。

創部の洗浄方法

創部の悪臭の抑制には洗浄が効果的なため、創部周囲の皮膚を泡立てた石鹸で洗い、水道水で十分にすすぎます(500cc以上)。すすぐ際には37℃の水道水または、30℃の生理的食塩水(しみる場合)を使用しましょう。シャワーは直接創部にあてるのではなく、創の上部にあてて流れてくる程度で十分です。
ただし、出血量が多い場合は洗浄は中止して、止血するまで安静にする必要があります。

洗浄後は、アズノール+ガーゼまたはキュティセリン+ガーゼで創部を覆い、さらに汚染防止策として、防水性パット(シングルパット、尿とりパットなど)で保護しましょう。
ケアを行う回数は、浸出量や汚染状況などを考慮してその都度判断し、出血量が多い場合などは必要に応じて医療機関で診てもらいましょう。

おわりに:皮膚の異変に気づいたら、主治医に報告を

乳がんの皮膚転移は、治療から2~3年後に発症する場合が約半数を占めるといわれています。皮膚表面の赤みや硬結、しこり、潰瘍など異変がみられたら、すぐに主治医に報告してください。そしてご紹介したようなケアを続けつつ、病院での専門治療を進めていきましょう。

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