アレルギー性鼻炎の薬が効かないのはどうして?

2018/7/24

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

アレルギー性鼻炎の薬を服用しても、鼻づまりなどの症状が解消されない原因としては、何が考えられるのでしょうか?治療薬の注意点にもふれながら、アレルギー性鼻炎の薬が効かない原因について解説します。

アレルギー性鼻炎の薬が効かないのはどうして?

アレルギー性鼻炎の薬を飲んでも症状が改善されない理由には、以下のようなことが考えられます。

  • 症状に合わない薬の選択や組み合わせをしている場合
  • 花粉の飛散量が多い時期、または黄砂の暴露を受けた場合
  • 風邪などの感染症や副鼻腔炎を併発している場合

花粉症で使用される治療薬は効果がすぐに出るように作られているため、1週間ほど服用しても症状が改善されない場合は、使用している薬が症状に合っていない可能性があります。
花粉症の治療法にはさまざまな選択肢があるため、効果が得られなかった場合は、治療薬や治療法の変更を検討しましょう。

花粉症の治療薬の効果が出るまでの時間

  • 抗ヒスタミン薬:服用開始から数時間以内
  • 抗ロイコトリエン薬:服用開始から数日以内

副鼻腔炎の併発

アレルギー性鼻炎の薬を飲んでも症状が改善されない理由として多いのは、感染症の併発です。

例えば、アレルギー性鼻炎で鼻の粘膜が腫れると、自然口と呼ばれる鼻の中の穴が長期間塞がれて副鼻腔内に菌が繁殖することで、副鼻腔炎を併発しやすくなります。
副鼻腔炎を併発した場合、アレルギー性鼻炎の治療のみを行っても治癒させることはできません。それどころか抗ヒスタミン薬の服薬により副鼻腔炎が悪化する恐れがあります。そのため、アレルギー性鼻炎がなかなか治らないという人は、副鼻腔炎の併発の有無を調べる必要があるのです。

今まで効いていたアレルギー性鼻炎の薬が効かなくなることってあるの?

多くの点鼻薬には、鼻詰まりを改善する作用のある血管収縮薬が含まれており、常用することで次第に効果が薄れ、逆に使用前よりも症状が悪化することがあるとされています。
ただし、全ての点鼻薬が薬剤性鼻炎になるわけではなく、「血管収縮剤」と呼ばれる成分が含まれている点鼻薬が原因になることが多いといわれています。

血管収縮剤には、血管を収縮することにより粘膜の腫れを抑えて鼻詰まりを改善する作用があるのですが、常用することにより収縮した血管が充血して粘膜が腫れて厚くなり症状が悪化するようになります(肥厚性鼻炎)。
このような状態になると、点鼻薬を使用することでしか鼻詰まりを改善することができなくなるため、1日の使用回数が増え、点鼻薬が手放せなくなるのです。

この点から、アレルギー性鼻炎を改善するためには、点鼻薬を使用して一時的に鼻詰まりをとるのではなく、アレルギー治療を受け根本的な治療をする必要があります。

症状に合うアレルギー性鼻炎薬を使うには

体調や生活環境に合わせて選ぶ
点鼻薬を選ぶ際には、体調(基礎疾患など)や生活環境(車の運転の有無)などを考慮した上で、選ぶようにしましょう。
使用回数に気をつける
市販の点鼻薬に含まれていることが多い血管収縮剤は、頻繁に使用すると鼻詰まりが悪化してしまう恐れがあるため、どうしても必要なときのみ使用するようにしましょう。

また、スギやヒノキなどの花粉によるアレルギー性鼻炎は、外出する際にマスクを装着することで花粉の吸入量を減らし、症状が改善されることがあるため、点鼻薬以外にも行える工夫をするようにしましょう。

おわりに:血管収縮剤が鼻詰まりの悪化を引き起こすことも!

花粉症で使用される治療薬は、基本的には効果がすぐに出るように作られているため、1週間ほど服用しても症状が改善されない場合は、使用している薬が症状に合っていない可能性があります。
また、副鼻腔炎を併発していたり、血管収縮剤入りの点鼻薬を常用し続けていたりすると、なかなかアレルギー性鼻炎が改善しなかったり、むしろ症状が悪化したりすることがあります。これらの原因に心当たりのある人は、一度主治医に相談するようにしてください。

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