記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/7/18
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
がんの遺伝子検査にはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?また、保険適用はされるのでしょうか?がんの遺伝子検査について解説していきます。
がんの遺伝子検査には、以下のような2種類の検査があります。
遺伝子の異常を調べ、遺伝性がんのリスクの有無を確認する検査です。
キットを使用して生活習慣に関係して起こるがんのみを調べる検査です。
グループに分類した遺伝型の統計を元にして、がんやその他の病気のリスクを数値化します。
がんを発症する前に遺伝子の異常を調べることで、がんを発症しやすい臓器の場所や、現在のがんになるリスク評価を行います。
そしてその評価結果を元に、自分の生活習慣に合った予防管理指導や、具体的なアドバイスなどを受けることで、発症を避けることができます。
遺伝子検査は、採血のみで検査が終了するため、手軽に受けることができます。長時間拘束される心配もありません。
遺伝子検査では5mm以下の微細ながん細胞の発見が可能なため、本格的に発症する前の段階で早期発見・治療が可能となります。また、がんの治療を受けた人の場合でも、定期的に遺伝子検査を受けることで、遺伝子の異常を速やかに発見し、再発のリスクを判定することができます。
遺伝子検査は血液を採取するだけの簡単な検査のため、放射線による被ばくの恐れや身体的負担、不快感などはありません。
抗がん剤の治療前後に遺伝子検査を受けることで、治療効果や副作用などを予測することができます。
遺伝子検査を受けることにより、がんの早期発見やリスクの判定などができますが、検査結果によっては、がんへの恐怖心が増大して精神的に負担がかかる可能性があります。
また、検査結果で遺伝子の異常が発見された場合でも、その後がんを発症する確率が100%というわけではないため、確実性に欠ける検査方法ともいえます。
遺伝子検査は、公的医療保険の適用が承認されていないため、検査を受ける場合は全額自己負担となります。また、自由診療のため医療機関によって治療費に差があります。
遺伝子検査を希望する場合は、検査内容や治療費をよく検討した上で、受けるかどうかの判断をしましょう。
厚生労働省は、2018年2月に「がんに関連する114種類の遺伝子の異変を一度に調べられる検査」を先進医療として指定し、同年4月9日から保険診療との併用ができるようになりました。このような遺伝子の異変を調べて治療法を選ぶ「がんゲノム医療」が、先進医療として承認されるのは初といわれています。
がんの遺伝子検査には、病院で行う遺伝性がんのリスクの有無を確認する検査と、キットを使用して生活習慣に関係して起こるがんを調べる検査の2種類があります。それぞれの検査を受けることは、がんの早期発見と治療、再発予防などにつながるため、遺伝子検査を希望する場合は、検査内容や治療費をよく検討した上で、受けるかどうかの判断をしましょう。