記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/7/25
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
特定の分野の習得に困難を抱えてしまう学習障害。この学習障害は、治療をすれば完治するものなのでしょうか。また、いつ頃から治療を始める必要があるのでしょうか。
現段階の医療では、学習障害を完治させるための根本的な治療法はありません。食品添加物を除去する、ビタミンを大量投与する、体内の微量なミネラルを分析するなどの対策がなされることもありますが、いずれにしてもその効果は実証されていません。
現段階では、教育的管理という方法で各自に合った方法で教育を行っていくのが一般的です。教育面や生活面といった環境を調整したり療育の支援を行っていくことで日常生活を快適に送れるようにしていきます。
ただし、学習障害に加えて注意欠陥多動性障害を併発している場合は、注意欠陥多動性障害の治療を薬剤を用いて行うことで学習能力が向上できる場合があります。
学習障害は発見がかなり難しく、小学校など読み書きや算数などの勉強が開始されるタイミングで気づかれることが多くなります。また、英語の習得などある特定の分野だけに学習障害が見られることがあるため、気づけるタイミングは人それぞれです。そのため、学習障害に気づいたらそのタイミングで治療を始め、その人に合ったサポート体制を整えることが望ましいです。
学習障害を改善するためにまず大切なことは、学習障害の程度に合った教材を使用することです。学習障害にもさまざまな種類があるため、その人の学習障害の種類に合った教材を使用することが効果的な治療に繋がります。
次に苦手を克服することに固執せず、得意なことを伸ばしてあげるということです。学習障害がある子は、学習面に障害があっても知的面に障害はありません。そのため、得意分野で能力を発揮しつつ苦手な分野を対応できるようにサポートしていくことが求められます。
これらの治療をしてもなかなか改善が見られない、どうすればいいか分からないという時には各市町村の窓口や「発達障害者支援センター」など地域にある身近な窓口へ相談することも良い方法です。
学習障害にはさまざまな種類があるだけでなく、障害が出現する分野も異なるため、気づけるタイミングは人それぞれです。ただ、気づいたタイミングで治療を行うことが重要です。
学習障害の完治につながる治療法は現在確立されていませんが、その子に合った教材を使用するなどの工夫で、学習困難が緩和される可能性はあります。お子さんに学習障害の疑いがある場合は、まずは自治体や発達障害者支援センターなどに相談するところから始めましょう。