記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/7/25
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
睡眠障害とも関わりの深い「むずむず脚症候群」。一度は耳にしたことのある病名かもしれませんが、具体的にどんな症状が出るのでしょうか。特徴や日常生活での注意点などを解説していきます。
むずむず脚症候群はじっと座っているときや横になっているときなどに足にむずむず、ぴりぴり、ちくちくとした違和感や不快感を感じ、足を動かしたくなることが症状の特徴です。特に夕方から夜にかけて症状が出現し、睡眠障害の原因ともなります。
むずむず脚症候群の主な診断基準には、「脚を動かしたいという強い欲求が存在し、また通常その欲求が不快な下肢の異常感覚に伴って生じること」「静かに横になったり座ったりしている状態で出現して増悪すること」「歩いたり下肢を伸ばすなどの運動によって改善すること」「日中より夕方・夜間に増強すること」という4つがあります。
むずむず脚症候群の原因はまだ明らかにはなっていません。しかし、中枢ドパミン系機能の低下が関連することや、中枢のドパミンシグナル伝達が夕方を最低点とした日内リズムを示すことから脳のドパミンシグナル伝達の機能低下が関連しているのではないかといわれています。
むずむず脚症候群は遺伝が関係していたり、発症者には鉄の欠乏も見られたりすることからこの説が有効とされています。
多くの場合、むずむず脚症候群は日常生活を少し工夫するだけで症状を和らげることができます。食事面ではカフェインを含む飲料やアルコールを夕方以降に控え、鉄分不足を招かないようなバランスのとれた食事を摂ることが重要です。喫煙も夕方以降控えると、同様に症状を和らげることができます。
運動面ではウォーキングやストレッチといった適度な運動を心掛けると良いです。また、就寝前に短時間歩いたり脚をマッサージする、温かいお風呂に入ったり冷たいシャワーを浴びることも、人によりますが症状を和らげる効果が期待できます。
また、座っているときには会話やゲーム、趣味の作業をするなどして症状から注意をそらすようにするのがおすすめです。
生活習慣を見直しても症状が和らぐ気配がない、改善が期待できないという場合には薬物治療も選択肢のひとつなので、医療機関を受診し、専門医に診てもらうようにしましょう。
座っているときや横になっているときに脚に違和感を感じ、結果として睡眠障害などを招いてしまうむずむず脚症候群。原因は不明とされているものの、脳の神経系の関連や鉄分不足などが原因と考えられています。そのため、日常生活の中で鉄分を意識したバランスの取れた食生活をしたり、夕方以降に飲酒や喫煙を控える、毎日軽い運動を行うなど生活習慣を見直すだけでも症状を和らげることができます。
しかし、日常生活を見直しても症状が変わらないという場合には、薬物治療にて症状の改善を図っていくため医療機関を受診することをおすすめします。