記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/8/3 記事改定日: 2019/5/27
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「栄養アセスメント」をご存知でしょうか。各種検査などを通じて個人や集団の栄養状態を判断する取り組みとして、医療分野だけでなくアスリートの栄養管理でも広く役立てられています。その内容について、以降で詳しくご紹介していきます。
栄養アセスメントとは、患者の食事内容の調査や身体計測などを行い、栄養状態を評価して栄養面での問題点を明確化することです。医療機関によっては、栄養管理科などの診療科で行っていることがあり、一般的には医師や看護師、管理栄養士などがチームとなって実施します。
栄養アセスメントの結果、低栄養や栄養過多などの問題が見つかった場合は、具体的な栄養ケアプランを設定し、栄養療法を実施していくこととなります。
医療機関によって異なりますが、栄養アセスメントでは下記の検査が実施されるのが一般的です。
血液検査の項目で栄養状態の主な指標となるのが、「血清アルブミン値」「血中コレステロール値」「血中ヘモグロビン値」です。
アルブミンとは、血中の主要なタンパク質のことです。血中アルブミン値が3.8g/dl以下の人は低栄養の可能性があります(3.5g/dl未満の場合は要注意)。
コレステロール値は、高すぎても低すぎても健康上のリスクとなります。血中総コレステロール値が150mg/dl未満の人は、低栄養の可能性があるため注意が必要です。
血中ヘモグロビン値は、貧血の指標となる数値です。成人男性の場合の正常値は13〜16.6g/dl、成人女性の場合は11.4〜14.6g/dlとなっています。この基準値を大きく下回る場合は、鉄欠乏性貧血の発症リスクが高くなるので注意しましょう。
血液検査で異常が見られた場合、一般の人はその結果をもとに栄養状態や生活習慣の改善を行っていくことが大切です。
具体的には、上で述べたようにアルブミン値やコレステロール値の低下や栄養不足、ヘモグロビン値の低下は鉄分不足の可能性が示唆されます。
栄養不足が疑われる場合には、バランスよい食生活を心がけ極端なダイエットは避けるようにしましょう。また、鉄分不足にはホウレン草やレバーなど鉄分が多く含まれた食品を積極的に摂取することが必要になります。
また、これらの異常は何らかの病気が背景にある可能性も考えられますので、放置せずにまずは病院を受診して、詳しい検査を受けましょう。
栄養アセスメントは、特定の疾患で外来に通院している患者さんや、入院患者さんを対象に行われるのが基本です。ただ、会社などの健康診断の血液検査の結果でも、自身の栄養状態の目安を簡単にチェックすることはできます。もし特定の項目の数値が低すぎたり高すぎたりする場合は、毎日の食事内容や運動習慣などを見直しましょう。