百日咳の検査はどんなふうに行われるの?

2018/9/18

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

百日咳菌という細菌が気管支に感染することによって起こる百日咳は、子供がかかりやすい感染症の一種です。
今回は百日咳の診断について、具体的な検査方法や検査に最適なタイミング、検査なしで百日咳の診断が下るケースなどについて、解説していきます。

百日咳の検査方法は?

百日咳の確定診断を下すには、培養検査・LAMP法・血液検査のいずれかの方法で検査をする必要があります。
検査方法の詳細や結果を得るまでにかかる期間は、それぞれ以下の通りです。

培養検査

患者の鼻の奥に細い綿棒を挿入し、採取した菌を寒天培地などで7日間培養して、症状を引き起こしている菌が百日咳菌かどうか特定する方法です。
ワクチン未接種の乳児や小児なら1週間ほどで精度の高い結果を得られますが、ワクチンを接種済みの人、また成人からの菌採取と培養はかなり難しいといわれています。

LAMP法

菌が持つ遺伝子構造から百日咳菌に感染しているかを調べる方法で、患者の鼻の奥から採取した検体を専用キットにかけることで判定できます。
通常3日ほどで結果が出ますが、病院から専門の検査機関に依頼する必要があります。

血液検査

患者から採取した血液の抗体反応を見ることで、百日咳かどうかを診断する方法です。
ワクチンの接種の有無に関係なく効果的な検査方法で、患者からの採血は2回、それぞれ「IgM」「IgA」という抗体の反応を見るために行われます。この方法での診断確定には、2~3週間ほどかかるといわれています。

なお、上記で紹介した百日咳の検査方法は、いずれも保険適用で受けることができます

百日咳の検査には適切なタイミングがあるの?

先述した百日咳の3つの検査方法には、それぞれ実施に適切なタイミングがあります。正確には、患者が医療機関に来たのが百日咳の症状が出てから何週目だったかによって、適用すべき検査方法が変わってくるのです。

以下に、百日咳の症状が出始めてからの週数ごとに、米国疾病予防管理センターが推奨する検査方法をまとめていますので、参考にしてください。

百日咳の発症から2週間以内
菌培養検査がすすめられます。ただし、この段階ですでに抗生物質などが投与されている患者には適用できません。
百日咳の発症から4週間以内
LAMP法が行われることが多いです。すべての患者に対し発症から3週間以内、乳児やワクチン未接種の患者になら発症から4週間以内までなら、この方法が適用できます。
百日咳の発症から2週間以上
血液検査がすすめられます。抗体の誘導に時間がかかるため、血液検査は発症から2週間以上経過しないと適用できませんが、その後は最長で12週までこの方法で検査結果を得ることができます。

検査を受けなくても百日咳と診断されることがある!?

正確には、前項までで紹介した検査を行い感染の有無を確認しないと確定診断できない百日咳ですが、医師が一定の基準をもとに百日咳の診断を下す場合もあります
感染症法によると、以下の基準を満たせば百日咳として報告することと定められています。

百日咳の診断、報告の基準

症状や所見から百日咳が疑われ、かつ、以下のふたつの基準すべてを満たすもの。
  1. 2週間以上持続する咳
  2. 以下のいずれかのうち、少なくとも1つを満たすもの
    「百日咳特有の咳」または「新生児や乳幼児で、他に明らかな原因がない咳後の嘔吐や無呼吸の発作がある」

おわりに:百日咳の検査は保険適用で受けられる

百日咳の代表的な検査方法には培養検査・LAMP法・血液検査の3種類があり、いずれも保険適応で検査を受けられます。なお、受診のタイミングによって検査方法は変わり、また検査なしで診断が下る可能性もあります。百日咳は、小児だけでなく大人もかかる感染症です。気になる症状があれば、すぐに病院に行ってください。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

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