記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/8/1 記事改定日: 2019/4/15
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
なんらかの原因で前立腺が炎症を起こし、排尿困難や頻尿、発熱、痛みなどの症状が出ることのある前立腺炎は、どのように治療するのでしょうか?
今回は前立腺炎の治療法について、普段の生活のなかで行える改善策と併せてご紹介していきます。
前立腺炎は「急性前立腺炎」と「慢性前立腺炎」に大別され、それぞれ考えられる原因と症状が以下のように異なります。
このように急性か慢性かによって前立腺炎の原因・症状は異なるため、治療方法も大きく変わってきます。以下に急性・慢性前立腺炎の治療法をそれぞれ紹介しますので、参考にしてください。
症状を起こしている細菌感染を治すため、抗生物質の内服や注射・点滴を行います。
ほとんどは通院での治療が可能ですが、糖尿病の持病がある人や、炎症が深刻な場合のみ入院して治療するケースもあります。
原因がはっきりしないため、薬物治療・理学療法など複数の治療方法を用いて、治療をすすめていきます。
主にアセトアミノフェンや非ステロイド系消炎鎮痛剤や、心因性の痛みに効果的なSSRIなどの薬物などを使い、痛みと炎症の軽減を目指します。また、補助的な治療薬として漢方薬を使用する医師もいます。
慢性前立腺炎の一因が骨盤の炎症にあると考えられる場合は、薬物治療とあわせてストレッチや体操などを使った理学療法も用いられます。
ここからは、慢性前立腺炎の治療のために普段からできる生活習慣の改善策を、避けるべき生活習慣とあわせてご紹介していきます。
病院での各種治療とあわせて行うことで症状の軽減が期待できますので、医師に相談しながら実践してみましょう。
急性前立腺炎による発熱や痛みなどの症状が強い場合は、前立腺に刺激を加えないためにも性行為は控えた方が無難です。とくに、性感染症が原因で急性前立腺炎を発症した場合には、パートナーへの感染を予防するためにもしっかり治療してから性行為を行うようにしましょう。
一方、慢性化した場合には前立腺内の老廃物やサイトカインなどの炎症性物質の排出を促すためにも頻回な射精がすすめられていますので、適度な性行為であれば問題ないと考えられています。
ただし、前立腺を過度に刺激するようなアナルセックスなどは避けるようにしましょう。
前立腺炎には急性と慢性があり、それぞれ考えられる原因と症状が異なります。このため、治療内容も患者が急性前立腺炎か慢性前立腺炎のどちらなのかによって、大きく変わってくるのです。特に慢性前立腺炎の原因を特定することは難しいため、医師による診断・指導が欠かせません。下腹部の不快感や痛み、排尿困難に悩んでいるなら、できるだけ早く泌尿器科を受診してください。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。