過労の症状やサインが出たとき、どこに相談すればいい?

2018/7/23 記事改定日: 2019/7/29
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

日本は過労死大国とも呼ばれ、超過勤務によって命を落としてしまう人のニュースを度々目にすることがあります。いち早く体や心のSOSサインに気づくために、過労の症状について知っておきましょう。

過労の症状はどのように進んでいくの?

長時間労働によって疲労が蓄積する「過労」の状態になると、心身ともにさまざまな影響が出るようになります。

過労の初期症状

睡眠の質の低下
仕事で遅くなり夜遅くに食事をとると、睡眠が浅くなるので寝起きが悪くなります。また、仕事のストレスで寝つきが悪くなったり、夜中に何度も目が覚めたりします。
業務効率の低下
疲労と睡眠不足の蓄積によって、作業効率が低下します。記憶力や判断力も低下し、ケアレスミスも増えるようになります。
倦怠感、肩こり、腰痛
疲労の蓄積によって代謝が落ち、疲労や倦怠感がとれなくなっていきます。そのために肩こりや腰痛がひどくなることがあります。
情緒不安定
疲労と睡眠不足の蓄積によって、ちょっとしたことでイライラしやすくなったり、不安になりやすくなったりします。そのために対人関係でトラブルを抱えることがあります。

過労の末期症状

体重の減少
食事を楽しむ気力や時間がないために、食欲が落ち、痩せていくようになります。
風邪を引きやすくなる
免疫機能が低下したために、風邪や感染症の発症リスクが上がります
業務効率の大幅な低下
全身の倦怠感がひどく、頭も体も思うように動かないために、業務上大きなミスを起こすようになります。
脳血管障害や心疾患の発症
過労で自律神経が乱れて動悸やめまいが本格化したり、脳や心臓の血管が脆くなって心筋梗塞や脳梗塞を起こすリスクが高まります。
抑うつ症状、睡眠障害
前向きな気持ちが持てなくなることでうつ病を発症したり、本格的な不眠症を発症したりすることがあります。こういった精神状態が続くと、最悪の場合自殺してしまう恐れもあります。
突然倒れる
疲労やストレスが溜まりすぎると自律神経の機能が急激に低下し、血圧や心拍数が下がることで、脳に十分な血液が届かなくなります。するとめまいや立ちくらみをおこし、突如倒れてしまうことがあります。
倒れる前兆としては、吐き気や胃痛、耳鳴り、動悸、悪寒などが直前に現れることが多いです。

過労の症状で頭痛や吐き気が起こることはある?

過労というよりも、過度にストレスが溜まってしまうと、吐き気や頭痛などの身体症状が出ることがあります。
これは「身体表現性障害」と呼ばれるもので、身体的な疾患や異常がないにもかかわらず、さまざまな身体症状が持続する病気に該当します。

この身体表現性障害では、吐き気や頭痛、体の痛み、皮膚のかゆみ、動悸、めまい、呼吸困難など、幅広い全身症状を訴えるのが特徴です。
20代の女性で、自分に自信のない人や物事をネガティブにとらえやすい人に発症しやすい傾向があります。

過労の症状が出ているとき、どこに相談すればいい?

過労を自覚したときは、無理をせずに休むことが大切です。もし十分に身体を休めるような状況にないときは、次のような部署や機関に相談して状況を改善するようにしましょう。

  • 職場の産業医など労働事情と健康状態を管轄する部署
  • 厚生労働省総合労働相談センター
  • 労働条件相談ホットライン
  • 法テラス
  • 過労110番

また、心身の異常を自覚した際には、精神保健福祉センター、いのちの電話などでも相談することができます。

電話のみでの相談や面談による相談、匿名相談可能などさまざまな相談方法がありますので、自分が利用しやすいと思うものを選びましょう。

おわりに:過労はただの疲れではない。早めの対処が重要。

過労の状態が長く続くと脳や心臓に負担がかかったり、あるいは精神障害を発症したりして、命を落としてしまう恐れがあります。食欲不振や睡眠障害、疲れがとれない、業務効率の低下など、気になる症状が長く続いている場合は、早めに産業医や専門の公的機関に相談することをおすすめします。

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