ホットフラッシュはリュープリン®の副作用?いつまで続く?

2018/8/1

前田 裕斗 先生

記事監修医師

国立成育医療研究センター フェロー

前田 裕斗 先生

リュープリン®には子宮筋腫を小さくする効果が期待できますが、一方でホットフラッシュ(ほてりやのぼせなど)といった「更年期症状に似た副作用」も見られます。今回はそんなリュープリン®の副作用や、更年期症状を軽減するセルフケアの方法などについてご紹介します。

更年期じゃないのにホットフラッシュが出るのはリュープリン®のせい?

婦人科系の病気に「子宮筋腫」という良性腫瘍があります。この病気の治療法には大きく薬物療法と手術療法があり、さらに薬物療法にもいくつかの種類があります。そこで、まずは薬物治療の中から「更年期に近い状態にする治療法」について説明します。

更年期に近い状態にして子宮筋腫を治療する

子宮筋腫の大きさには、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が関係しています。そこで女性ホルモンの分泌を抑制するために、薬を使って更年期に似た状態に近づける場合があります。そのために使われる治療薬がGn-RHアナログ(リュープリン®やスプレキュアなど)です。この薬を使うと子宮筋腫を最大20~40%程度(筋腫の直径で言えば10-15%程度)小さくでき、症状も軽くできます。ただし、あくまでも対症療法であり、薬を投与している間だけ筋腫を小さくできる治療法です。

副作用には更年期障害のような症状がある

リュープリン®を使用すると女性ホルモンの働きが抑制されるため、以下のような副作用を伴う場合があります。

  • 更年期障害のような症状
  • 治療初期の不正出血
  • 関節痛などの痛み
  • 骨密度の低下

この中でも、特によく見られる副作用として「更年期障害のような症状」があります。具体的にはホットフラッシュ(のぼせ、ほてりなど)、頭痛、発汗、うつ症状などです。そのため、更年期でないにも関わらずホットフラッシュなどの症状がある場合は、リュープリン®の副作用である可能性が考えられます。

リュープリン®によるホットフラッシュっていつまで続くの?

リュープリン®の副作用は、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が抑制されることで起こります。そのため、リュープリン®の投与を中止すれば、次第に更年期症状のような副作用もなくなります。ただし、リュープリン®注射をやめてしまうと、4~6カ月程度で子宮筋腫は元の大きさに戻ってしまい、子宮筋腫による症状も再び現れるようになります。

リュープリン®の使用期間は半年まで

リュープリン®などを使用すると更年期症状のような副作用を伴うため、基本的に投与期間は6カ月までと決められています。そのため、通常、以下のような場合に使われます。

  • 閉経するまでの一時的治療とする場合
  • 筋腫を小さくしてから手術を行う場合

このようにリュープリン®は根本的な治療法ではないので、一時的に子宮筋腫を小さくするために使用することが多いです。

つらいホットフラッシュを和らげるセルフケア方法は?

もしホットフラッシュ(ほてりやのぼせなど)を和らげたいのであれば、セルフケアに取り組むのもオススメです。そこで、以下では具体的なセルフケア方法について紹介します。なお、副作用のケア方法については、医師に相談した上で取り組むようにしてください。

バランスの良い食事を心がける

バランスの悪い食事を摂っていると、血圧が上がったり、ホルモンバランスが崩れたりしてホットフラッシュが起こりやすくなります。食事の際には、以下のようなことに気をつけるといいでしょう。

  • アルコールやカフェインを避ける
  • 塩辛いものを控える
  • 糖分や脂肪の摂りすぎに注意する
  • 冷たいものを摂り過ぎない

このような注意点を守りつつ、なるべくバランスのよい食事を意識して、ホルモンバランスや自律神経を整えるようにしましょう。具体的には野菜や適度なたんぱく質、炭水化物などを摂取することがオススメです。また、適度に水分を摂ることも重要になります。

十分に睡眠をとる

人間は起きているときに交感神経が働き、眠っているときに副交感神経が働きます。しかし、夜更かしなどで睡眠時間が短くなると、きちんと副交感神経が働かなくなって、自律神経のバランスが崩れてしまいます。その結果、ホットフラッシュが起こりやすくなるのです。

なお、夜間、汗をかいて目が覚めてしまう場合は、パジャマの内側にタオルなどを入れておくのもオススメです。こうすることで汗をかいた場合も、タオルを取るだけで対応できます。

ストレスを溜め込まないようにする

ストレスは身体にさまざまな影響を与え、その結果、睡眠不足、ホルモンバランスや自律神経の乱れなどを起こします。そのため、無理のない範囲で外出したり、運動したりして、ストレスを発散することも大切だといえます。

また、ホットフラッシュによって「汗をかく」ことにストレスを覚える場合もあります。そういったときには、外出時にタオルやハンカチ、ウエットティッシュ、保冷剤などを持ち歩き、汗を処理できるように準備するほか、通気性のよい洋服を着るのもいいでしょう。

おわりに:セルフケアでホットフラッシュを和らげましょう!

リュープリン®は更年期に近い状態にする薬のため、副作用として更年期障害のような症状が見られます。もしリュープリン®の副作用でホットフラッシュに悩まされていたら、ご紹介したセルフケアを実践してみてください。

関連記事

この記事に含まれるキーワード

副作用(93) 更年期障害(34) ホットフラッシュ(19) 子宮筋腫(16) リュープリン(2)