ホットフラッシュはリュープリン®の副作用?対処法はある?

2018/8/1 記事改定日: 2019/10/17
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前田 裕斗 先生

記事監修医師

前田 裕斗 先生

リュープリン®には子宮筋腫を小さくする効果が期待できますが、一方でホットフラッシュ(ほてりやのぼせなど)といった「更年期症状に似た副作用」も見られます。
今回はリュープリン®の副作用を軽減するセルフケアの方法などについてご紹介します。

リュープリン®を使うとホットフラッシュが出るのはなぜ?

婦人科系の病気に「子宮筋腫」という良性腫瘍があります。
この病気の治療法には大きく薬物療法と手術療法があり、薬物治療のなかには「更年期に近い状態にする治療法」があります。
このときに使われる薬のひとつがリュープリン®です

子宮筋腫の大きさには女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が関係しています。
リュープリン®やスプレキュア®などを代表とするGn-RHアナログという薬を使って女性ホルモンの分泌を抑制し、更年期に似た状態に近づけることで子宮筋腫を小さくしていきます。

Gn-RHアナログを使うと子宮筋腫を最大20~40%程度(筋腫の直径で言えば10-15%程度)小さくでき、症状も軽くできます。
ただし、これはあくまでも対症療法であり、薬を投与している間だけしか筋腫を小さくできません。

副作用として「更年期症状」出る

リュープリン®を使用すると女性ホルモンの働きが抑制されるため、以下のような副作用を伴う場合があります。

  • 更年期障害のような症状
  • 治療初期の不正出血
  • 関節痛などの痛み
  • 骨密度の低下

この中でも、特によく見られる副作用として「更年期障害のような症状」があり、とくに多い症状として、ホットフラッシュ(のぼせ、ほてりなど)、頭痛、発汗、うつ症状などが現れます。

もしリュープリン®を使って治療している人で更年期でもないのにホットフラッシュなどの症状がある場合は、リュープリン®の副作用である可能性があるので、担当医に相談しましょう。

リュープリン®の使用期間

リュープリン®などを使用すると更年期症状のような副作用を伴うため、基本的に投与期間は6カ月までと決められています。そのため、通常、以下のような場合に使われます。

  • 閉経するまでの一時的治療とする場合
  • 筋腫を小さくしてから手術を行う場合

このようにリュープリン®は根本的な治療法ではないので、一時的に子宮筋腫を小さくするために使用することが多いです。

リュープリン®によるホットフラッシュっていつまで続くの?

リュープリン®の副作用は、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が抑制されることで起こります。そのため、リュープリン®の投与を中止すれば、次第に更年期症状のような副作用もなくなります。

ただし、リュープリン®注射をやめてしまうと、4~6カ月程度で子宮筋腫は元の大きさに戻ってしまい、子宮筋腫による症状も再び現れるようになります。

ホットフラッシュを和らげるセルフケア方法は?

ホットフラッシュは以下のようなセルフケアで、ある程度和らげられることがあります。セルフケアに取り組むのもオススメです。
ただし、リュープリン®の副作用として現れているものなので、ケア方法については医師に相談したうえで取り組むようにしてください。

バランスの良い食事を心がける

バランスの悪い食事を摂っていると、血圧が上がったり、ホルモンバランスが崩れたりしてホットフラッシュが起こりやすくなります。食事の際には、以下のようなことに気をつけるといいでしょう。

  • アルコールやカフェインを避ける
  • 塩辛いものを控える
  • 糖分や脂肪の摂りすぎに注意する
  • 冷たいものを摂り過ぎない

このような注意点を守りつつ、なるべくバランスのよい食事を意識して、ホルモンバランスや自律神経を整えるようにしましょう。
具体的には野菜や適度なたんぱく質、炭水化物などを摂取することがオススメです。また、適度に水分を摂ることも重要になります。

十分に睡眠をとる

人間は起きているときに交感神経が働き、眠っているときに副交感神経が働きます。
しかし、夜更かしなどで睡眠時間が短くなると、きちんと副交感神経が働かなくなって自律神経のバランスが崩れて、ホットフラッシュが起こりやすくなるのです。

なお、夜間、汗をかいて目が覚めてしまう場合は、パジャマの内側にタオルなどを入れておくのもオススメです。こうすることで汗をかいた場合も、タオルを取るだけで対応できます。

ストレスを溜め込まないようにする

ストレスは身体にさまざまな影響を与え、その結果、睡眠不足、ホルモンバランスや自律神経の乱れなどを起こします。そのため、無理のない範囲で外出したり、運動したりして、ストレスを発散することも大切だといえます。

また、ホットフラッシュによって「汗をかく」ことにストレスを覚える場合もあります。そういったときには、外出時にタオルやハンカチ、ウエットティッシュ、保冷剤などを持ち歩き、汗を処理できるように準備するほか、通気性のよい洋服を着るのもいいでしょう。

ホットフラッシュ以外の副作用への対処法は?

リューブリン®にはホットフラッシュ以外にも次のような副作用がみられることがあります。

  • アレルギー(まれにアナフィラキシー)
  • 肝機能障害
  • 糖尿病の発症・悪化
  • 血栓症
  • 間質性肺炎

アレルギーに関しては服用後すぐに現れる症状のため、服用して皮膚のかゆみ、蕁麻疹、咳などの症状が現れた場合はすぐに使用を中止して医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

一方、アレルギー以外の症状は長く飲み続けた場合に現れるものです。誰にでも起こりうる副作用ですので、長期間服用している場合は定期的に血液検査やレントゲン検査を行って副作用の有無をチェックするようにしてください。
また、発熱や息苦しさ、黄疸などの症状が現れたときはできるだけ早く病院に行くことも大切です。

おわりに:リュープリン®によるホットフラッシュはセルフケアで対処できることも

リュープリン®は更年期に近い状態にする薬のため、副作用として更年期障害のような症状が見られます。もしリュープリン®の副作用でホットフラッシュが出てきたときは、医師と相談のうえ、ご紹介したセルフケアを実践してみてください。

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