三叉神経痛の原因はストレス?発症したらどんな痛みに悩まされるの?

2018/7/31

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

顔に走るビリっとした痛み。それはもしかしたら「三叉神経痛(さんさしんけいつう)」かもしれません。聞きなれない方もいるかもしれませんが、40歳以降で発症することが多く、男性よりも女性が発病しやすい病気です。
この記事では、三叉神経痛とストレスの関係性について解説しています。

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三叉神経痛の原因はストレスなの?

三叉神経とは、脳の深いところ(脳幹)から始まり、おでこ、頬、あごへと枝のように分かれていく知覚神経です。顔面に広がる感覚を司り、顔全体に分布しています。これらの神経の周辺には血管が流れており、膨張した血管が神経を圧迫した結果、痛みを引き起こすのではないかと考えられています。しかし原因の特定は難しく、疲労やストレスによる自律神経の乱れが神経に影響を及ぼすともいわれています。

三叉神経痛になると、どんな痛みが出てくる?

三叉神経痛の症状は非常に特徴的です。目の周りやおでこ、頬などに、以下に挙げる症状がみられたら三叉神経痛の可能性は高いといえます。

痛みの特徴

  • 電気が走るような、針で刺されたような鋭い痛み
  • 痛みは突発的で、数秒~数十秒または数分程度と短い
  • 顔の左右どちらかに起こる
  • 顔を触る、飲食をするなど、顔面が刺激を受けたときに痛みが発生する
  • 冬に痛みが発生しやすい

痛みが慢性的に発生する、長時間持続するという場合は「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」など、ほかの神経痛の病気の可能性があります。症状が悪化する前に、神経内科や神経外科を受診し、どんな症状が出ているか、受診先の医師にしっかりと説明するようにしましょう。

もし三叉神経痛になったら、どんな治療をするの?

三叉神経痛の治療は、飲み薬の服薬から始めるのが一般的です。「薬物療法」で広く取り入れられているのは、テグレトール®︎(抗けいれん薬)です。テグレトール®︎には痛みをコントロールする効果がありますが、眠気やふらつきなどの副作用があります。

また、薬物療法で十分な効果が得られなかったり、副作用のために服用の継続が困難になった場合は、「神経ブロック」「手術療法」「ガンマナイフ法」などの治療法を選択します。

神経ブロック
患部の神経に局所麻酔薬や高周波熱凝固などを行い、痛みの伝達を停止させる治療法。人為的に神経機能を停止させるため、知覚の消失や顔面の痺れが起こることもあります。
手術療法(脳外科手術)
血管による圧迫を取り除き、根治を目指します。全身麻酔を使った開頭手術となり、手術に伴うリスクへの理解が必要です。
γ(ガンマ)ナイフ療法
放射線治療の一種。手術療法とは異なり、全身麻酔や開頭によるリスクを避けられますが、再発率は手術療法より高い傾向にあります。高齢の方や合併症などほかの病気を発症している方で、手術の危険性が高いと医師が判断された場合に選択されます。2015年7月から健康保険適用内での治療が可能となりました。

おわりに:血管による圧迫やストレスなど、神経は負担にさらされがち。日ごろから気をつけよう!

三叉神経痛は、一度発症すると自然治癒が難しい病気です。治療の鍵となるのは、患者さんが症状をしっかりと医師に伝え、症状や健康状態に適した治療法を選択していくことです。
また、症状を悪化させないためにも、日ごろから疲れやストレスをためないようにしましょう。

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