三叉神経痛の治療薬ってどんなもの?薬以外にも治療法はある?

2018/7/27

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

体が感じる痛みには「ヒリヒリ」「ズキズキ」「ジンジン」などさまざまな種類がありますが、顔の片側に「ビリッ」とした激しい痛みを感じたら、それは「三叉神経痛(さんさしんけいつう)」かもしれません。 
以降では、そんな三叉神経痛の治療薬や、薬以外の治療について紹介していきます。

三叉神経痛の治療は薬物治療から

三叉神経痛と診断されたら、まずは「薬物療法」から始めるのが一般的です。現在、最も広く使われているのは「テグレトール®︎」という内服薬です。抗てんかん薬に分類され、神経の伝達を抑える働きを持ち、痛みを軽くする効果が期待されます。

ただし、長期間服薬を続けていると効果が減少することがあり、副作用として、ふらつきや眠気など日常生活に支障をきたす症状がみられます。また、長期的な服用によって、血小板減少や白血球減少といった血液疾患を引き起こす可能性もあります。

三叉神経痛で薬が効かなくなったら、どんな治療をする?

三叉神経痛は内服薬が効きやすいとされていますが、薬物療法の効果が十分でなかったり、副作用のために服薬が困難になるケースがあります。その場合は主治医と相談のうえ、改めて治療方法を選択することになります。薬物療法の次の段階の選択肢のうち、代表的な三種類の治療法を紹介します。

神経ブロック

神経による痛みの伝達を遮断(ブロック)させる療法です。患部の神経または神経節に局所麻酔薬や神経破壊薬を使用したり、高周波熱凝固などを施したりすることで、三叉神経の機能を停止させます。

神経ブロックを行うと高い確率で痛みは改善され、効果は1年以上~5年程度持続するのが一般的です。ただし施行後に、顔のしびれや知覚の消失が起こることもあります。

手術療法(脳外科手術)

近年、血管による圧迫が三叉神経痛の原因であると考えられ、血管にアプローチする脳外科手術が行われるようになりました。三叉神経痛根治の可能性がある治療法のため、若い患者さんや、薬物療法・神経ブロックの効果が十分でない方の選択肢にあがることが多い療法です。
なお、三叉神経痛の脳外科手術は開頭手術のため、全身麻酔を伴います。また、術後10年以上経った際の再発率が20~30%という報告があることを考慮する必要があります。

γ(ガンマ)ナイフ療法

三叉神経の起点である脳の深いところに放射線を照射する療法です。患者の6~8割に有効な療法といわれていますが、効果の程度には個人差があり、γナイフ療法後、内服薬の併用が必要となる方もいます。
なお、γナイフ療法は対症療法であり、根治を目指す療法ではありません。一方で手術療法を選択した場合に起きる可能性のある、後述の合併症のリスクは避けることができます。

三叉神経痛の手術後に考えられる合併症は?

三叉神経痛の手術では、「神経血管減圧術」という手術法をとることが多いです。これは耳の後ろの骨に穴を開け、三叉神経を圧迫している血管を移動させる手術法で、手術時間は5~6時間、入院は2週間程度になります。

この手術療法の注意点は、顔面神経麻痺、調力低下、髄液漏、髄膜炎、創部感染などの合併症を発症する恐れがあることです。確率は数%とされていていますが、開頭手術のため、脳梗塞や脳出血、意識障害や運動麻痺などといった重篤な合併症の可能性もあることを理解しておくといいでしょう。

おわりに:大切なのは、痛みとリスクのマネジメント

三叉神経痛の治療について、代表的な4つの療法を紹介しました。いずれも自分の体や症状によって、期待される効果や考慮すべきリスクは異なってきます。医師と相談のうえ、適した療法を選択するようにしましょう。

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