記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/8/1
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
クラミジアを発症すると、男性の場合は尿道のかゆみや膿、女性の場合はおりものの変化などが現れることがありますが、こうした症状が現れるまでの潜伏期間はどれくらいでしょうか?また、潜伏期間でもパートナーにうつることはあるのでしょうか?
クラミジア感染症は、「クラミジア・トラコマティス」という病原菌が性器や直腸、喉に感染したことで発症する性病(性感染症)の一種です。このクラミジアの潜伏期間は、およそ1~3週間といわれています。男性と女性で期間に差はありません。なお、クラミジアには他にもクラミジア・ニューモニアなど様々な種類がありますが、この記事ではクラミジア・トラコマティスを扱います。
なお、オーラルセックスが感染原因の場合は、潜伏期間が長くなる傾向にあります。これは、性器の粘膜と比べて口内のほうが菌の数が少なく、体内で菌が増殖するまでに時間がかかるためと考えられます。
クラミジアはたとえ潜伏期間でも、性行為をした相手にうつる可能性があります。そもそも潜伏期間とは「感染してから症状が現れるまでの期間」のことなので、潜伏期間中であっても感染者は病原菌を保有していることに変わりありません。つまり、クラミジアに感染しているのであれば、特に自覚症状がない段階でもパートナーにうつしてしまう恐れがあるのです。
また、クラミジアは発症したとしても、目立った自覚症状が出ないことも多いです。そのために知らず知らずのうちに感染を広げてしまうことがあり、これがクラミジア感染者の多さの一要因になっているとされます。
自分がクラミジアに感染しているかどうかは、感染したと思われる日から3週間経過しており、明らかな症状(男性の場合は尿道のかゆみ、排尿痛、副睾丸の腫れ、尿道からの膿など。女性の場合は排尿痛やおりものの増加や変化など)が出ているのであれば、基本的には検査可能です。
ただし、医療機関によっては、感染から2日後程度で早期発見できる精密検査を実施している場合があります。詳しくはご希望の医療機関にお問い合わせください。
なお、検査の方法ですが、男性の場合は採尿による検査、女性の場合は子宮頚管の分泌物を採取しての検査、咽頭クラミジアの場合は咽頭部を麺棒でぬぐって検体とするスワブ法、あるいは生理食塩水を口に含んだ後、うがいをして吐き出したものを検体とするうがい液法が行われるのが一般的です。
クラミジアの潜伏期間は1~3週間程度ですが、実際に発症しても自覚症状がほぼ出ないケースも少なくありません。また、潜伏期間であっても病原菌を保有している以上、パートナーにうつす恐れがあるので、特に自覚症状がなかったとしても定期的に性病検査を受けるようにしましょう。