記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/7/26
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
子供の発症率が高いがんとして知られる「骨肉腫」ですが、骨肉腫はどのようなことが原因で発症するのでしょうか?また、発症するとどのような症状が起こるのでしょうか?骨肉腫の原因や症状について解説していきます。
骨肉腫は10歳代の思春期(中学生や高校生)の発症率の高い、小児の骨に発生する悪性腫瘍(がん)です。一定の割合で高齢者の患者もいます。
骨肉腫の国内の発症率は1年間に150人ほどの割合で、手術のみで治療ができるものから、強力な治療を行っても予後が芳しくないものまで、人により病態は様々です。
なお、転移のない限局性の骨肉腫の場合は、複数の治療法を組み合わせて行うことで、治癒率が65~70%になるとされていますが、治療期間は1年以上に及ぶこともあります。
骨肉腫は、通常型骨肉腫の患者が最も多いとされていますが、他にも、血管拡張型骨肉腫、小細胞型骨肉腫、低悪性度中心性骨肉腫や、二次性骨肉腫と呼ばれる放射線照射後やパジェット病に続いて起こる骨肉腫などがあります。
骨肉腫が発生する原因は、未だはっきりとは解明されていません。骨の成長過程で発症するケースが多いとされていますが、高齢者の患者や、二次性発症などもあるため、はっきりとはわかっていないのです。
発癌率を高める危険リスク因子はいくつか特定されていますが、リスク因子を持っている人が必ず発症するとは限らず、リスク因子を持っていない人が発症する場合もあります。
原因遺伝子は特定に至っていませんが、一部の症例では神経芽腫やLi-Fraumeni(リ・フラウメニ)症候群が関係しているといわれています。
骨肉腫は、主に大腿骨や脛骨(すねの骨)の膝関節周辺の発症率が高く(60~70%)、上腕骨に発生することもあります。また、病的骨折に伴い発症するケースや、まれに肺移転することもあるとされており(10~20%)、初期症状では痛みと腫れが起こります。
血液検査では、アルカリフォスファターゼ(ALP)の上昇が見られることがあり、術前化学療法に対する反応や、治療後の再発や転移の有無を確認するための指標として使用されることもあります。怪我をした覚えがないのに、1ヶ月以上痛みや腫れがひかない場合は、一度医療機関で診てもらうようにしましょう。
骨肉腫を発生する原因は未だはっきりとは解明されていません。また、発癌率を高める危険リスク因子を持っていても必ず発症するとは限らず、リスク因子を持っていない人が発症する場合もあります。
骨肉腫は主に大腿骨や脛骨の膝関節周辺に発生し、初期症状では発生部分で痛みと腫れが起こります。外傷の有無に関わらず、1ヶ月以上痛みや腫れがひかない場合は、一度医療機関を受診しましょう。