感染症が流行する時期はどんな違いがある?予防する方法とは?

2018/8/2 記事改定日: 2019/5/21
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

感染症はさまざまなウイルスや細菌が原因となって発生します。時期によって流行しやすい感染症が異なっており、対策も流行に合わせて行わなくてはいけません。
どの時期にどの感染症予防をするべきかを知っておくと、自分の身を守るためにも役立ちますので、ぜひ参考にしてください。

感染症が流行しやすい時期の違いとは?

感染症は原因となるウイルスや細菌こそ違うものの、1年を通して気を付ける必要があります。

ウイルス性胃腸炎

11月からノロウイルス感染症が始まり、3月ごろまで感染しやすくなります。そしてノロウイルスと入れ替わるように、ロタウイルス感染症が3月から5月まで感染しやすくなるため、ウイルス性胃腸炎は11月から5月までの対策が必要です。

胃腸炎(食中毒)

細菌を原因とする胃腸炎として、カンピロバクター感染症は4月から10月ごろまで感染しやすく、その期間内の夏場である7月から9月まではサルモネラ感染症、5月から8月までは腸管出血性大腸菌感染症にも感染しやすくなります。

呼吸器感染症

12月から3月までは、毎年猛威をふるうインフルエンザが流行期となります。それ以外にも、9月から4月まではRSウイルス感染症、にも感染しやすいです。

夏風邪

夏場を中心に、6月から一斉に夏風邪の感染リスクが高まります。プール熱は8月まで、手足口病は9月まで、流行性角結膜炎は10月まで注意が必要です。プール熱は11月から12月という冬場も感染しやすくなります。また、5月から8月まではヘルパンギーナにもかかりやすいです。

感染症の流行から身を守るためには?

感染症の原因は、ウイルスや細菌です。目には見えませんが、私たちの周りにはさまざまなウイルスや細菌が存在しています。感染経路はウイルスや細菌によって異なりますが、基本の予防法は手洗いです。

手洗いも、正しく行うことによって感染症の予防効果が期待できます。洗うだけではなく、拭いてから殺菌や消毒までする手洗いのことを、「衛生的手洗い」と呼んでいます。石鹸で洗うだけでは、落としきれないウイルスや細菌が手に残ってしまうため、その後アルコール消毒をしてウイルスや細菌をやっつけるという手洗いが理想です。

しかし、手洗いだけで完全にウイルスや細菌をシャットアウトできるとは限りません。もしも体内に入ってしまっても、抵抗力が高い身体を維持できていれば、体内でウイルスや細菌が悪さをすることなく、排出されます。健康的な生活リズム、食事内容などを心がけましょう。

また、予防接種で予防できる感染症もあるので、各流行前の接種も検討してみましょう。予防接種を受けておくと、万が一感染しても軽度な症状で済ませられます。

流行性の感染症を防げる予防接種はある?

流行性の感染症の中には予防接種によって発症するリスクを大幅に軽減したり、発症した場合の重症化を予防できるものがあります。

代表的なものでは、秋から春にかけて年齢を問わず全国で大流行するインフルエンザです。インフルエンザは、年によって流行するウイルスのタイプが異なるため、毎年ごとにその年に適した予防接種を秋頃に受ける必要があります。
予防接種で使用されるワクチンは、その年に流行するウイルスのタイプを予測して作られるものであるため、予測が外れると予防効果が低い年もあります。しかし、重症化を予防する効果は高く、インフルエンザ脳症などの重篤な合併症を大幅に軽減できるとされています。

また、乳幼児を中心に流行しやすいロタウイルスにも予防接種があります。経口タイプのワクチンで、生後6週間から2~3回、生後24週または32週までに投与を終える必要があります。
ワクチンの効果は3年ほどとされていますが、乳幼児でとくに重症化しやすいロタウイルスへの感染や重症化を予防する効果が高く、任意接種ではありますが積極的な摂取が推奨されています。

おわりに:1年を通して感染症には注意が必要

感染症は重症化すると長く寝込んでしまったり、後遺症が残る恐れもあります。ウイルス・細菌と原因は異なるものの、1年中感染症には注意が必要です。基本の予防法は手洗いですが、それ以外にも規則正しい生活をして免疫力を上げたり、予防接種を受けるなどで対策をして、1年を通して感染症のリスクを軽減させましょう。

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