記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/8/21
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
性行為などで梅毒に感染し、発症すると、性器付近のしこりや全身のバラ疹など特徴的な症状が現れます。では、さらに梅毒が進行して末期になってしまった場合は、どんな症状が出るようになるのでしょうか?また、末期でも治療は間に合うのでしょうか?
梅毒とは、「梅毒トレポネーマ」という病原体に感染して起こる性病(性感染症)で、感染から「3週間後」「3ヶ月~3年後」「3~10年後」「10年後」と段階を経て徐々に症状が進行していきます。
近年では早期治療が可能になったことで、末期まで進行することはほとんどありませんが、感染から3年以上経過して末期になった場合は、以下の症状が見られるようになります。
梅毒は末期症状の段階でも、抗生物質の投与によって治療可能です。基本的には、ペニシリン系アモキシシリン(サワシリン)が用いられます。
末期梅毒の服薬期間はおよそ8~12週間と長期にわたり、服薬終了後は定期的な検査で完治したか経過を観察していくことになります。
ただし、梅毒によって既に脳や脊髄が侵されてしまっている場合は、梅毒そのものは治癒しても重い後遺症が残る恐れがあります。そのため、なるべく初期段階で治療を開始することが非常に大切です。
梅毒が末期になると、血管や神経までもが侵され、大動脈瘤や進行麻痺など重篤な症状に至ります。この末期段階でも抗生物質の投与で治癒は可能ですが、重症度によっては脳や神経に障害が残ってしまう恐れもあります。しこりなどの初期症状を見逃さず、必ず早期治療をしてください。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。