湿疹って種類がたくさんあるの?種類によってできやすいものも違う?

2018/10/2

谷口 隆志 先生

記事監修医師

川崎たにぐち皮膚科、院長

谷口 隆志 先生

皮膚が炎症を起こし、赤みや鱗屑、水疱、膿疱、かゆみや痛みなどの症状が出ることを湿疹といいますが、同じ湿疹でも種類によって起こりやすい症状は異なります。
今回は湿疹の種類について、代表的な湿疹の種類やできやすい場所を、湿疹ができてしまったときの対処法とあわせて解説していきます。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

湿疹って種類がたくさんあるの?

湿疹はその原因や症状などにより、さまざまな種類に分けることができます。
以下に発症しやすい湿疹を8種類ご紹介しますので、参考にしてください。

湿疹タイプ1:接触皮膚炎

特定の物質に触れたことが原因で、物理的刺激やアレルギー反応が起きて皮膚が赤くなる、水疱ができるなどの湿疹症状が出ます。

湿疹タイプ2:脂漏性皮膚炎

過剰な皮脂分泌による刺激が原因で、もともと皮脂分泌が多い部位を中心に皮膚が黄色いかさぶた状になったり、赤くなるなどの湿疹症状が出ます。

湿疹タイプ3:皮脂欠乏性湿疹

身体の洗いすぎや加齢が原因で、皮膚の保護に必要な皮脂が不足し乾皮症(かんぴしょう)となり、ちょっとした刺激をきっかけに強いかゆみと湿疹症状が出ます。

湿疹タイプ4:貨幣状皮膚炎

身体に硬貨のような赤い円形の湿疹が出て、強いかゆみを伴います。

湿疹タイプ5:自家感作性(じかかんさせい)皮膚炎

アレルギー反応の一種で、激しいかゆみを伴う赤いぶつぶつとした湿疹が全身に出ます。

湿疹タイプ6:酒さ様皮膚炎

顔に赤みが出る「酒さ」の症状のように、赤みが強く、ニキビのような湿疹が出ます。主にステロイド薬の塗布が原因で起こると考えられています。

湿疹タイプ7:汗疱(かんぽう)

金属アレルギーなどが原因で、手のひらや足の裏に直径2~5mmほどの水疱が散らばったような湿疹が出ます。

湿疹タイプ8:手湿疹

日常的に使用する水や洗剤が原因で肌のバリア機能が失われ、皮脂が少なくなって乾燥・赤み・かゆみ・ひび割れなどの湿疹症状が出ます。

種類によって、湿疹ができやすい場所は違う?

ここからは先ほど紹介した湿疹の種類別に、それぞれの湿疹が生じやすい身体の部位について、まとめて説明していきます。

湿疹タイプ1:接触皮膚炎

頭、顔、耳、手を中心に、原因物質に触れた全身の部位に見られる

湿疹タイプ2:脂漏性皮膚炎

頭、顔、脇、胸、背中など皮脂分泌が多い部位に多く見られる

湿疹タイプ3:皮脂欠乏性湿疹

皮脂量が少なくなり、乾燥した部位なら全身に発症の可能性がある。特にすねやふとももの内側、脇腹に起こることが多い

湿疹タイプ4:貨幣状皮膚炎

足、腕、手、指を中心に、腹や背中など体幹部分にも見られる

湿疹タイプ5:自家感作性皮膚炎

全身に発症の可能性がある

湿疹タイプ6:酒さ様皮膚炎

湿疹タイプ7:汗疱

手のひらや足の裏

湿疹タイプ8:手湿疹

湿疹ができたらどうすればいい?

湿疹が出て、原因がよくわからないときは、以下いずれかの対応を取りましょう。

  1. 皮膚を傷つけないよう、かかずに冷やすことを徹底する
  2. 手に湿疹が出ている場合は、手袋で覆って患部を刺激から守る
  3. 眠れないほどかゆい場合は、市販のかゆみ止めや抗ヒスタミン薬を塗る
  4. 皮膚科の病院で医師の診察を受け、原因にあった治療をしてもらう

上記のうち①~③は、あくまでも原因がわからないときの応急処置です。

応急処置をしても症状が改善しない場合は、専門医の診察・治療が必要になりますので、できるだけ早く皮膚科の病院を受診してください。

おわりに:湿疹の種類によって、その原因・症状・できやすい部位はさまざま!

ひとくちに湿疹といっても、さまざまな種類があります。このため種類によって症状や原因、できやすい部位、正しい対処法も大きく異なってきます。素人の判断で湿疹に対してできることは限られてきますので、原因不明の湿疹が出ているときは必ず皮膚の病院に行き、専門医の診察と治療を受けるようにしてくださいね。

関連記事

この記事に含まれるキーワード

湿疹(22) 脂漏性皮膚炎(10) 酒さ(4) 手湿疹(6) 自家感作性皮膚炎(2) 接触皮膚炎(2) 汗疱(1) 皮脂欠乏性湿疹(3) 貨幣状皮膚炎(1)