梅毒の皮膚症状って? 接触すると感染するって本当?

2018/8/19

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

性病(性感染症)としてよく知られている梅毒ですが、梅毒に感染するとどんな皮膚症状が出るようになるのでしょうか。また、性行為でうつるというイメージがありますが、皮膚などの接触によって感染することもあるのでしょうか。以降で解説します。

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梅毒の皮膚症状って?

梅毒とは、「梅毒トレポネーマ」という病原体に感染して起こる性病(性感染症)です。感染から「3週間後」「3ヶ月~3年後」「3~10年後」「10年後」と段階を経て、それぞれ特徴的な症状が現れるようになります。
以降では、その中でも代表的な皮膚症状について解説していきます。

感染から3週間後に現れる皮膚症状(第1期梅毒)

しこり
性器や肛門などに、小豆~指先くらいの大きさの赤く硬いしこり(軟骨くらいの硬さ)が現れます。このしこりは感染箇所にできるため、基本的には性器付近に発生しますが、感染者とオーラルセックスやキスをした場合は、口に発生することがあります。
潰瘍
しこりの中心部がつぶれて潰瘍化します。
太ももの付け根の腫れ
両脚の太ももの付け根が腫れます。

これらの症状は、2~3週間ほどで自然に消えていきます。

感染から3ヶ月~3年後に現れる皮膚症状(第2期梅毒)

バラ疹
淡い赤色で爪くらいの大きさの、バラの花びらのような皮疹が全身に現れます。基本的には体幹を中心に出現しますが、顔面や手のひら、足の裏に出現することも多いです。
赤茶色の丘疹
バラ疹が消失してから数週間後に、赤茶色の盛り上がった丘疹が多発します。大きさは小豆大くらいです。
手のひら、足の裏の発疹
銀白色のフケのようなものが付着した、赤茶色の塗れた発疹が、手のひらや足の裏に出現します。
ピンク色~薄灰色のコブ
性器や肛門周辺に、ピンク色~薄灰色をした隆起状のコブが発生します。
白い斑点
体幹や頭部、頸部、手足の皮膚の一部が脱色したように白くなる、白斑症状が見られることがあります。またこれに伴い、脱毛症状が起こることもあります。
口唇や口の中の口内炎、紅斑
キスやオーラルセックスによって口や扁桃で感染した場合、唇や口の中の粘膜、舌、扁桃などに、赤い斑点や乳白色の口内炎のようなものが出現することがあります。
爪の内部や周辺の腫れ
爪の内部や周辺の皮膚が赤く腫れ、圧迫すると痛みが出たり、膿が出たりすることがあります。

これらの症状はおよそ3年の間、数ヶ月ごとに出たり消えたりを繰り返すという特徴があります。

感染から3年後に現れる皮膚症状(第3期梅毒)

ゴム腫
皮下組織の深部が破壊され、皮膚や筋肉、骨などに柔らかいしこりのようなゴム腫が発生します。

梅毒の皮膚に接触すると感染するって本当?

梅毒の病原体の「梅毒トレポネーマ」は、感染者の精液、血液、腟分泌液などに存在するため、多くの場合は性行為によって感染します。しかし、この病原体は感染者の病変部にも含まれているので、口や皮膚に梅毒の病変部分が出ている場合は、キスや接触によって感染することがあります。

おわりに:梅毒かも?と思ったら病院へ

ご紹介したように、梅毒にはさまざまな特徴的な皮膚症状があります。これらは特に治療をしなくても、時間の経過とともに消失していきますが、その間も体内では梅毒の進行が続いています。症状を見逃さないようにしましょう。

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