記事監修医師
川崎たにぐち皮膚科、院長
肝斑治療といえば従来は内服治療が最もポピュラーな方法でしたが、技術の進歩によって近年ではレーザー照射による治療法も行われるようになってきました。
今回は肝斑治療のうちレーザートーニングについて、その特徴や効果、治療方法、考えられる副作用などをご紹介していきます。
レーザートーニングとは、かつては禁忌とされていた肝斑へのレーザー治療を可能にした新しい治療法です。
かつてのレーザー治療は、肝斑には強すぎる出力のレーザーしか照射できなかったため、かえって肝斑を悪化させる可能性があり、不向きとされていました。しかし、非常に弱い出力で照射できるレーザートーニングの登場により、肌に負担をかけずに肝斑の原因であるメラニンを少しずつ破壊できるようになったのです。
他にも、レーザートーニングの特徴としては以下のような項目が挙げられます。
ダウンタイムとは、治療・施術を行ってから、患部が回復するまでにかかる時間のことです。
主に美容医療業界で使われる言葉で、肝斑治療としてレーザートーニングを行う場合では、レーザーを照射してから患部の赤みや腫れ、カサブタが消えるまでの生活に支障のある時間を指します。レーザートーニングでは弱い出力のレーザーを使用するため、肌への負担が少なく後遺症がほとんどなく、ダウンタイムがないのも大きな特長です。
レーザートーニングは肝斑に最適な治療法ですが、その効果は肝斑やシミだけにとどまりません。
肝斑以外にレーザートーニングの施術が効果的と考えられている肌トラブルを、以下にまとめてご紹介します。
レーザートーニングはごく弱い出力のレーザーを照射するため、1回の施術では効果が実感できず、回数を重ねるごとに効果が実感できるようになるといわれています。
以下に、肝斑治療でレーザートーニングを受ける場合の施術間隔や回数ごとの効果の目安、そして治療効果が持続する期間についてまとめましたので、参考にしてください。
その人の肌質によっても異なりますが、2週間~1か月に1回程度が良いとされています。
レーザートーニングの治療効果は半永久的なものではないため、一旦治療が完了しても、しばらくすると再び肝斑が出てくるケースが多いです。継続して効果を得るには定期的な施術が必要となり、1~2か月に1回くらいのペースでレーザー照射を受ける必要が出てきます。
レーザートーニングの効果とあわせて、レーザートーニングを利用するにあたっての副作用やリスクも確認しておきましょう。
以下に、レーザートーニングで起こり得る副作用を4つ、それぞれご紹介します。
レーザーの熱や刺激皮膚が反応して、照射部分に赤みやかゆみが出ることがあります。
通常、レーザートーニングによる肌の赤み・かゆみは軽度なので数時間でおさまりますが、数日続くようであれば主治医に相談して診察を受けましょう。
レーザーを照射した部位からは水分が失われるため、肌が乾燥する場合があります。
施術後はどうしても乾燥気味になりますが、普段使っている美容液や化粧水でこまめに保湿することで解消できます。
レーザー照射で肌が乾燥した結果、皮脂の分泌が過剰気味になって、ニキビや吹き出物ができてしまうこともあります。
もともとニキビができやすい人に多く見られる副作用ですが、ほとんどは一時的なもので、肌の状態が落ち着いてくると自然に治ります。
照射されたレーザーの出力が適切でないなどの医師のスキル不足や、施術後すぐの紫外線照射によって、かえって肝斑やシミが濃くなることがあります。
レーザートーニングの治療中は紫外線を浴びないよう日焼け対策を万全にし、必要なら医師や病院を変更するなどの処置をとってください。
従来のレーザーよりも弱い出力でレーザーを照射し、肌を傷つけずに肝斑を薄くできるレーザートーニングは、比較的新しい治療方法です。効果を実感するには10回以上の施術を受ける必要がありますが、ダウンタイムなく治療を続けられるため、肝斑に悩む人には魅力的な治療法といえます。施術は皮膚科や美容外科の医療施設で受けられますので、興味のある人は問い合わせてみてはいかがでしょうか。
この記事の続きはこちら