過食症の薬ってどんなものが処方されるの?薬を飲めば完治する?

2018/7/31 記事改定日: 2019/6/12
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

過食症は心理的な影響が大きく、一度発症すると回復までに時間がかかるといわれています。今回はさまざまな治療法があるうち、薬による過食症の治療について詳しくご紹介します。

過食症の治療で使われる薬は?

過食症のための薬の種類には、主に以下のような抗不安薬や抗うつ剤などがあります。ただしそれぞれの薬には、効き目に個人差や副作用もあります。必ず医師の指示の下で服用するようにしましょう。

抗不安薬

不安感やイライラした感情などをやわらげる効果があるといわれています。他の薬と比べて効果が早く現れやすいといわれ、筋肉のコリをほぐすことによるリラックス効果も期待できます。また食欲を低下させるはたらきもあるため、過食症にも有効な薬のひとつです。

抗うつ剤

SSRI

抗うつ剤の中で最も使用されている薬のひとつです。うつの症状を抑えることに効果的な上に副作用が少ないことも特徴です。脳に「幸せホルモン」といわれるセロトニンを増やし、うつ病だけでなく、過食症などの摂食障害の症状をやわらげる薬として知られています。

フェネルジン

うつ病患者に不足しているといわれるノルアドレナリンやセロトニンなどの神経伝達物質を増加させ、他の抗うつ剤と同様に意欲改善などに効果が期待できます。

しかし併用できない薬などもある上に脳卒中を発症する可能性もあるため、日本では現在使用されていません。ただしヨーロッパでは、このような問題を改善した薬が使われているといわれています。

イミプラミン、デシプラミン

今から約70年前頃から使われている抗うつ薬で、意欲改善やうつ病の回復などに効果的です。ノルアドレナリンやセロトニンの量を増やすことで効果を発揮します。効き目が強く現れる一方で、口渇やめまいなどの副作用も現れやすいことが特徴です。

過食症は薬を飲めば治る?

薬による治療はあくまで症状をやわらげる対症療法であり、根本的に治療するものではありません。そのため、過食症など摂食障害の治療はカウンセリングや栄養面での改善などを行い、補助的に薬を服用して改善を図ることが望ましいと考えられています。

また過食症などの摂食障害は、さまざまな精神疾患がある可能性もあるため、専門家の診断を受けてから薬による治療を始めた方が望ましいといわれています。

過食症とサノレックス

サノレックス®(マジンドール)は、脳の食欲中枢に作用して食欲抑制とエネルギー消費促進作用を持つ日本で唯一承認されている食欲抑制剤です。食欲中枢に直接作用するため、食欲抑制効果が高く、過食衝動を抑えることができる可能性があります。

しかし、全ての過食症の人に適応になるわけではなく、食事や運動習慣の改善のみでは減量できず、肥満による合併症のリスクが高い高度肥満の人にのみ使用され、公的医療保険では3か月間の処方しか適応になりません。
また、副作用も強く、抑うつ気分や不安障害、幻覚、幻聴、不眠などの精神症状、吐き気や胃部不快感、下痢などの消化器症状、動悸や血圧上昇などの循環器症状などを引き起こすことが知られています。

さらに、インスリンや血糖降下薬、甲状腺ホルモン剤、降圧剤などとともに服用すると薬の効果が減弱したり、増強したりすることで思わぬ健康被害を引き起こすことも少なくありません。
このように、サノレックス®は様々なデメリットもありますので、服用の必要性などについては担当医とよく話し合って決めるようにしましょう。

過食症の治療で行うカウンセリングってどんなことをするの?

過食症によるカウンセリングでは、自分を客観的に見ることなどによって、過食症を引き起こしている原因を見つめ直す方法で治療を進めます。

カウンセリングは病院やクリニックなどで精神科医やカウンセラーと、過食症を発症している本人が個人またはグループで行われます。過食症などの摂食障害では、精神的なストレスなどを抱えていることもあるだけでなく、本人がそれに気づいてない場合もあります。そのため、カウンセリングを通して心の整理をし、原因を突き止めながら症状を改善していくことが有効です。

具体的には、過食症が始まったきっかけや自分の体重や体型についてどう感じているのか、また食事に対する自分の思いなどについて本人自身がカウンセラーや精神科医に伝え、コミュニケーションを取りながら本人自身も心の内を見つめていきます。このとき、できるだけ細かいことまで聞き取るようにし、信頼関係を深め、本人の体型や食事などへの誤った認識を解いていくことが重要です。

おわりに:カウンセリングなどを通して、原因を探ろう

過食症の場合、薬による治療法はあくまで補助的なものに留まります。薬による治療と並行してカウンセリングなどで心の内を見つめ、原因を探って改善策を見つけていくことが好ましいでしょう。

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