おむつかぶれにワセリンを使ってもいい?塗り方で気をつけることは?

2018/8/16

谷口 隆志 先生

記事監修医師

川崎たにぐち皮膚科、院長

谷口 隆志 先生

ドラッグストアなどでも手軽に購入できる「ワセリン」は、赤ちゃんのおむつかぶれに塗っても効果的なのでしょうか?使用上の注意点や塗り方のコツなどをお伝えしていきます。

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おむつかぶれにワセリンを塗っても大丈夫?

ワセリンは石油を精製して不純物を取り除いた軟膏で、赤ちゃんでも使える保湿・保護剤です。ワセリンには、肌の表面に塗るとパラフィンという油の成分が皮膚の表面に膜をつくって角質層の水分の蒸発を防ぐ働き、外からの刺激から肌を守りおむつかぶれを防ぐ働きがあります。

ワセリンの良い点は、まず、肌に優しいことです。肌の中まで浸透することはなく刺激になりにくいので、皮膚の状態が良くなくても使うことができます。また、皮膚の表面につくられる油分の膜は、赤ちゃんの敏感な肌を外部の刺激から保護してくれます。排泄物が皮膚に触れるのを防ぐ効果もあるので、おむつかぶれの予防策としても有効です。ほかには、水分の蒸発を防ぎ、肌に水分と適度な油分を保つ役割があることも優れた点のひとつです。

なお、特にワセリンをより精製して不純物を取り除いたプロペトやサンホワイトなどの余計な成分が入っていないものは副作用の心配もほぼありません。万が一赤ちゃんがなめたり食べたりしてしまっても、ほとんど無害で自然に体の外に排出されます。

ただし、ワセリンの塗り方によってはおむつかぶれが悪化することも

ワセリンは使いやすいものですが、すべての赤ちゃんに合うとは限りません。少量ですが、ワセリンの中には不純物が残っていて、ときに赤ちゃんのお肌に刺激になることがあります。赤ちゃんの肌質やかぶれている状態によっては、悪化してしまうこともあります。塗ることで症状が悪化するようなら、使用をやめてかかりつけの小児科か皮膚科に相談しましょう。かぶれた部分に出血やただれがある場合は、違った種類の皮膚炎であることも考えられます。

ワセリンは純度の高いプロペトやベビーワセリンを選び、使うときには手のひらに取って人肌に温めてから、優しく塗るようにします。使う前に、赤くなっている部分をぬるめのシャワーで優しく洗い、タオルやガーゼを押し当てて水分を取ってしっかりと乾燥させ、かぶれている部分やかぶれそうな部分にワセリンを塗ってからおむつをつければ完了です。

おむつかぶれで、ワセリンの代わりにベビーパウダーを使っていい?

ひと昔前は、おむつかぶれの予防にはベビーパウダーが効果的とされていましたが、現在では勧められていません。主成分がトウモロコシの粉で赤ちゃんにも安心して使えますが、パウダーの粒子が赤ちゃんの汗が出る汗腺をふさいでしまう可能性があるからです。汗腺がふさがれると汗を上手にかけずに体温調節が自力でしにくくなってしまいます。

また、大量にベビーパウダーをつけたまま放置すると、汗などで湿ったパウダーがかたまりとなって、雑菌が繁殖しやすいともいわれています。健康な肌への適量の使用は問題ないとする考え方もありますが、できるだけ使用は控えた方が良いでしょう。

おわりに:赤ちゃんの肌を優しく守るワセリン。適切な使用を

肌を保湿したり外部の刺激から敏感な肌を守ることで、おむつかぶれを防ぐ効果が期待できるワセリン。余分な成分を含まないものなら副作用もほぼなく、安心・安全に使うことができます。体を清潔にして乾かしてから、優しく塗ってあげましょう。ただし悪化するようなら、かかりつけの小児科や皮膚科に相談してください。

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