一酸化炭素中毒の症状は気づかないうちに出てくるって本当?

2018/7/31

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

石油ストーブやガスコンロ、給湯器などの不完全燃焼で発生することのある「一酸化炭素中毒」。この一酸化炭素中毒は、発生していてもなかなか気づかない危険性の高いもののひとつです。サインとなる注意すべき症状や、その予防法についてご紹介していきます。

一酸化炭素中毒の症状って気づきにくいの?

「一酸化炭素中毒」は、石油ストーブやガスコンロ、給湯器などの不完全燃焼で発生する症状ですが、一酸化炭素には色も臭いもないため気づかないことが多くあります。しかし毒性は強力で、少量であっても危険です。

症状はゆっくり進み、最初に軽いめまいや手足のしびれなどが起こります。ちょっとした疲れと思いがちですが、症状は少しずつ悪化し、頭痛、吐き気がしたら要注意です。症状が進むと手足が麻痺し動けなくなることがあり、重症になると脳細胞が破壊され意識不明になるなどして、死に至ります。すさまじい頭痛、吐き気に襲われて突然意識を失ったり、1度回復した後に再び昏睡状態になる場合もあります。

なお、中毒症状は標準的な浴室(5立方メートル)に2Lのペットボトル1本分程度の一酸化炭素濃度(0.04%)で、1~2時間で前頭痛や吐き気が起こり25~35時間後に頭痛が起きます。これが0.16%になると20分間で頭痛・めまい・吐き気がして2時間で死亡、0.32%では30分、1.28%では1~3分で死に至ります。

一酸化炭素中毒になるのはどうして?

一酸化炭素中毒の原因には、ひとつは気密性に優れた建築物が増えたことがあります。気密性の高い住宅は夏は涼しく冬は暖かですが、空気の逃げ道がないためこまめに換気しなければ酸素不足を起こしてしまいます。そのため、密封状態となる車内などでも気をつける必要があります。

また、熱交換率が悪い古いタイプのガスボイラーや給湯器は、不完全燃焼を起こしやすく注意が必要です。換気をしないで、ストーブやコンロ、ファンヒーターなど、室内の空気(酸素)を使って燃焼し排気ガスを室内に出す仕組みの暖房器具を使い続けることは危険です。室内の空気が汚染されるだけでなく、酸素濃度の低下で不完全燃焼が進み、一酸化炭素が急激に増加して中毒を引き起こします。

どうすれば一酸化炭素中毒を予防できる?

まず、換気をこまめに行い、暮らし方を改めて見直しましょう。調理中、給湯器やガスコンロを使用する間は、常に窓を開けるか換気扇を回して排気ガスを外に出すようにします。また暖房器具を使用するときには1時間に1回以上5分間程度窓を開けたり、時間を決めて換気扇を回すなどして定期的に空気を入れ換えてください。

効率的な換気のポイントは、室内の空気の流れをスムーズにすることです。換気用の小窓や給排気口が家具などでふさがれていないか確認し、空気の出入り口をできるだけ対角線上に近い2カ所以上につくるなど工夫しましょう。

また、屋内に排気筒のある風呂がまなどを使用する際に隣のキッチンの換気扇などを使うと、排気が逆流して中毒を起こすことがあるので注意しましょう。古い給湯器や暖房機器の使用を避けることも大切です。大きなビルなどの場合は一酸化炭素検知器を設置しましょう。

おわりに:一酸化炭素を起こさないよう、室内環境の見直しを

一酸化炭素には色も臭いもなく、中毒症状もゆっくり進行しますが、毒性は強力で少量であっても危険です。軽いめまいなどが次第に悪化し、頭痛、吐き気がしたら要注意です。やがて手足のしびれから動けなくなったり意識不明になるなどして、死に至ります。予防のために室内環境を見直し、こまめな換気の習慣をつけましょう。

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