伝染性単核球症の治療方法は?治療にかかる期間はどのくらい?

2018/8/4

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

感染症の一種「伝染性単核球症」に感染していることがわかった場合、どのように治療をしていくことになるのでしょうか。また、治療にかかる期間はどれくらいなのでしょうか。以降で解説します。

伝染性単核球症ってどんな病気?

伝染性単核球症とは、ヘルペスウイルスの一種であるEBウイルス(Epstein‐Barr ウイルス)の初感染によって起こる感染症です。乳幼児期に初感染を受けた場合は不顕性感染であることが多いものの、思春期以降に感染した場合には症状が出現することが多くなります。

EBウイルスの感染経路は、キスなど感染者との濃厚な接触です。このことからキス病(Infectious mononucleosis)とも呼ばれています。

ウイルスに感染すると、4~6週間の長い潜伏期間を経て発症します。発症者の約94%に38℃以上の高熱が出現し、約89%の人にリンパ節腫脹が見られます。他にも咽頭扁桃炎、発疹などが見られますが、主に頸部へ症状が見られることが特徴です。また、これらの症状がほとんど出現せずに頸部のリンパ節腫脹のみに症状がとどまる場合もあります。他にも極度の疲労感も見られ、人によっては軽度の風邪症状と類似した症状が出ることもあります。

稀にですが、合併症として末梢リンパ球増加、異型リンパ球増加、肝機能異常、肝脾腫といった症状を併発することもあります。特に脾腫は巨大脾腫から脾破裂にいたり、命に危険を及ぼすこともあります。症状は1~2週間程度で治まり、快方へ向かうことが多くなります。

伝染性単核球症の治療法は確立してないって本当?

伝染性単核球症の治療法は現時点では特異的なものは確立されておらず、対症療法にて治療をすることがほとんどです。中には診断が確定する前に抗生物質を用いるという例もあります。

また、症状が消失して治った後も、医師が脾臓の大きさが元に戻ったことを確認するまでの間は、脾臓破裂などの影響を考慮して、接触するスポーツや重いものを持ち上げるのは控えるなど、安静にしていることが推奨されます。

伝染性単核球症の治療期間ってどのくらい?

伝染性単核球症の治療期間は約2か月が一般的とされており、4~6週間で急性期を脱し、快方へ向かうとされています。治療に時間がかかったとしても、長くても6か月ほどです。しかし、脾腫などの重篤な症状が出現している場合には、この治療期間よりも長く治療に時間がかかることもあります。

おわりに:治療法が確立されていない伝染性単核球症。症状消失後も慎重に経過観察を

EBウイルスの感染によって起こる伝染性単核球症。キスなどの濃厚接触によってウイルスが感染し、発熱や頸部のリンパ節腫脹、咽頭炎や発疹といった風邪に似た症状が見られます。一般的には感染してから1~2週間で快方に向かい始める、4~6週間の治療期間を経て完治とみなされますが、脾腫や肝腫大といった合併症を併発することもあります。症状消失後も脾臓への影響を考慮して、しばらくは安静にすることが大切です。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

国立感染症研究所ホームページ を編集して作成 】

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