梅毒の薬の服用期間は? 個人輸入の薬でも効果があるの?

2018/8/2

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

梅毒は抗生物質の服薬によって治療するのが一般的ですが、どれくらいの服用期間が必要なのでしょうか。治療薬の種類や、個人輸入の薬の効果などについてもご紹介していきます。

梅毒の薬にはどんな種類があるの?

梅毒の原因となる病原体「梅毒トレポネーマ」は、細菌とも呼ばれる微生物のため、抗生物質による治療が有効です。具体的には、以下の種類の抗生物質が処方されるのが一般的です。

ペニシリン

梅毒治療で最もよく用いられる抗生物質です。梅毒トレポネーマには細胞壁と呼ばれる防御壁があるのですが、ペニシリン系抗生物質にはこの細胞壁の生成を阻害する効果があるとされます。

抗生物質は使用すると、薬剤に耐性を持つ「耐性菌」が出現することがありますが、ペニシリン耐性を持つ梅毒の病原体の存在は報告されていないことから、服用によって100%に近い治療効果が期待できます

塩酸ミノサイクリン

テトラサイクリン系と呼ばれる抗生物質で、細菌の増殖や生命維持に必要なタンパク質の合成を阻害する効果があるとされます。ペニシリンアレルギーを持つ梅毒患者に処方されます。

梅毒の薬の服用期間は?

梅毒の薬の服用期間は、梅毒の進行段階によって以下のように異なります(あくまで目安です)。

第1期梅毒(感染から約3週間)
感染箇所のしこり(初期硬結)や、太ももの付け根のリンパ節の腫れが現れる時期。薬の服用期間は2〜4週間×1日3回
第2期梅毒(感染から約3ヶ月)
全身のバラ疹や丘疹、性器・肛門周辺の多数のコブ(扁平コンジローマ)などが現れる時期。薬の服用期間は4~8週間×1日3回
第3期梅毒以降(感染から約3年以降)
ゴム腫(皮下組織に発生する大きめのしこり)や神経障害などの重篤症状が現れる時期。薬の服用期間は8~12週間×1日3回

梅毒の薬は飲み忘れに要注意

服用期間の項でお伝えした通り、梅毒の薬は進行度に応じてその分長期的な服薬が必要です。しかし、薬を決められた期間しっかり服用しなかったり、途中で中断したり減薬したりすると、梅毒が完治せず症状が進行する恐れがあります。

梅毒は治療しなくても症状が自然に消失するのが特徴のため、「症状が消えたから治った」と判断するのは非常に危険です。決められた期間は服薬を必ず続けてください(アレルギー反応などの異変があれば、すぐに医師に相談してください)。

もし飲み忘れてしまった場合は、気づいた時点で1回分服用する処置をとることが多いですが、次の服用時間が迫っている場合は服用しないほうがいい場合もあります。事前に医師や薬剤師に確認をとるようにしましょう。

梅毒の薬は個人輸入品でも買えるが・・・

梅毒の症状が現れたとき、「病院に行くのが恥ずかしい」「時間がない」といった理由で、個人輸入の治療薬を通販で購入される方もいますが、基本的にはこれはおすすめできません。品質や安全性の保証がなく、正規のメーカー品を装った偽物の可能性もある上に、もし服用して体に異変が出た場合も全て自己責任となってしまいます。

出ている症状が本当に梅毒のものなのか、きちんと専門の医療機関で検査を受けた上で、進行度に合わせた適切な治療を受けるようにしましょう。

政府広報オンライン の情報をもとに編集して作成 】

おわりに:梅毒の薬の服用期間や、適した薬の種類は人によって異なる。専門医の指示を仰ごう

個人輸入による梅毒の薬は通販でも購入可能ですが、ご紹介した通り、適した梅毒の薬の種類は人によって異なり、また服用期間も段階に応じて変わっていきます。専門医の診断のもと、処方された薬を適切な期間服用することが重要なので、自己判断せず必ず病院を受診してください。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

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