記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/8/6
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「過食症」は有名な摂食障害の一種ですが、発症するとどんな症状が現れるのでしょうか?過食症の特徴となる症状をご紹介するので、当てはまるものはないか、チェックしてみてください。
「神経性過食症」は、何度も食べ物を食べすぎてしまう病気で、別名「神経大食症」ともいわれます。もともと大食いの人が楽しんでたくさん食べる様子とはちがい、味わうというよりも、大量の食べ物を一気に体の中に詰め込むように食べてしまいます。食べることに対して、自制心が働かなくなってしまうのです。
あわせて、太らないために吐いたり、下剤を使ったり、過食時以外は食事をとらなかったりという、体に負担をかけるような行動もとってしまいます。人前では普通に行動していて、一人になったときにこのような症状が表れるため、患者が過食をしていたことに、周りの人が気づけないケースも多いのです。
過食、そしてそれにともなう嘔吐や下剤の使用などは体に大きな負担をかけます。そして、精神的にも不安定になり、うつ状態に陥る危険性も高まるでしょう。健康な人であっても、ストレス解消のために食べる、いわゆる「やけ食い」をしたくなるときがあるかもしれません。そのため、自分自身が過食症かどうかを判断することも難しい場合もあります。しかし、自分で食欲をコントロールできない状態が何度もあるのなら、医療機関に相談した方がよいでしょう。米国の精神医学会では、「週に1回でも過食があれば治療するべき」という基準を設けているそうです。
過食症の人がとる行動は、食欲をコントロールできないゆえ、異常な量を食べてしまうことです。しかもこれは、普段の食事量が増えるというのではなく、食事の時間とは関係がないタイミングで食べ物を口に入れてしまいます。回数が多い人であれば、2時間ぐらいのスパンで過食を繰り返すケースもあるようです。
なお、強いストレスを感じたときに過食のスイッチが入り、帰宅後の一人の時間や寝る前などに食べてしまうことが多い傾向にあります。家にある食べ物だけでは満足できず、近くのスーパーやコンビニに買いに走ってまで食欲を満たそうとします。
そして、「食べすぎては太る」「食べすぎてはいけない」ということが意識の中にあるので、過食後は嘔吐、下剤の使用などにより食べたものを無理やり外に出そうとします。このような排出をしないタイプの人は、みるみるうちに体重や体脂肪が増え、肥満になる可能性が高まります。そして、太った段階で無理なダイエットを行い、体重を急激に増減させてしまう人も少なくありません。
過食症による嘔吐、下剤の使用による下痢を繰り返すことは、体に大きな負担をかけます。たとえば嘔吐を繰り返すと、髄液線が腫れたり、胃酸によって歯の表面が溶けたりしてしまいます。また下剤の使用も、体に必要な量のカリウムまで排出されてしまい、不整脈を引き起こす危険性もあるのです。さらに、体も心も不安定な状態なので、精神疾患を発症してしまう可能性も十分あります。
過食症について病院で相談したいときは、心のケアをする精神科や心療内科、体のケアをする内科、子供であれば小児科などが選択肢に入ります。患者の体の状態、また過食症になった原因などによって選ぶとよいでしょう。
過食症になると、食欲をコントロールできなくなり、異常な量を食べてしまいます。さらに過食後は、嘔吐、下剤の使用などにより、食べたものを無理やり外に出そうとすることもあります。これらの行動は体と心の両方に大きな負担をかけるので、食欲をコントロールできないなど該当する症状があるときは専門医に相談してください。