記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/8/6 記事改定日: 2019/8/20
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
自宅で育児につきっきりになっているうちに、育児ノイローゼになってしまう女性もいます。今回は「妻が育児ノイローゼになってしまった」ことでお悩みの旦那さんに向けて、夫としてどんなことをしてあげられるかをお伝えしていきます。
育児ノイローゼとは、出産・子育ての期間にうつ状態や睡眠障害などの情緒不安定な状態になることを指します。
妊娠継続を助けていた女性ホルモンは、出産を終えると急激に変化し、妊娠前の状態に戻ろうとします。くわえて、生まれたばかりの赤ちゃんのお世話に昼夜問わずかかりきりのお母さんは、慢性的な睡眠不足になり、育児のプレッシャーや不安などがストレスへつながっていきます。
これらが原因となって、自律神経の乱れや睡眠障害を引き起こし、さまざまな症状があらわれます。
育児ノイローゼになると神経が過敏になるので、些細なことでイライラし、子供や家族に当たり散らすようになります。マイナス思考や悲観的にもなるので、イライラした自分をとても責めてしまい、悪循環に陥ります。
また、何にもやる気が起きない無気力状態にもなり、物事に対して興味が薄れます。外出も億劫になり、誰とも関わりたくないという気持ちが芽生えて社交性が失われていきます。
しかし、そうして人と関わらず、子供と2人きりの状態が続くと、さらにフラストレーションがたまって危険な状態になります。自分が生んだ可愛い我が子も可愛いと思えず、衛生面に関心がなくなることもあるでしょう。
育児ノイローゼは全員の女性がなるとは限りませんが、育児ノイローゼになりやすい人の性格は以下のようなものがあげられます。
自分の性格と照らし合わせて当てはまるものがあれば、気を付けておいた方が良いでしょう。
育児ノイローゼは、育児をしているお母さんであれば、誰にでも起こりうるものです。妻が育児ノイローゼかもしれないと思ったときには、以下で紹介する適切な接し方を参考に、力になってあげましょう。
育児ノイローゼになっているお母さんは「自分には頑張りが足りない」「もっと頑張らないと」と思っていることが多いです。
励ましの言葉として、つい「頑張って」といってしまいがちですが、これまでの頑張りを認め、ねぎらいの言葉をかけるようにしましょう。
育児ノイローゼになっているお母さんだけでなく、女性の多くは自分の気持ちに共感してもらえると喜びます。
アドバイスなどの解決方法をいうのではなく、相手はただ単純に話を聞くだけで気持ちがスッキリしますので、きちんと目を見て真剣に話を聞いてあげましょう。
「自分ばかりが大変な思いをしている」と、マイナス思考に落ちいりがちな育児ノイローゼでは、周囲の人が家事や育児を手伝うことで「自分は一人じゃない」と思えて楽になります。
育児ノイローゼになっていると無気力な状態が続きますので、手伝ってほしいことを相手に聞くのではなく、自分から率先して手伝えることを見つけましょう。
毎日24時間、赤ちゃんに対して神経過敏になっているお母さんを、一人にしてあげることも大切です。ときには子供を預かって、お母さんをリフレッシュさせてあげてください。
ただ、外出すると心配で気が気じゃないという人もいるので、その場合は違う部屋などでゆっくりと眠らせてあげると良いでしょう。
育児ノイローゼの可能性がある場合には、放っておいても解決にはなりません。
一人で悩み、抱え込むのではなく、育児ノイローゼが相談できる相談窓口がありますので、電話してみましょう。
その他、育児相談掲示板などの匿名で書き込みできるサイトもあり、同じように悩みを抱えている他のお母さんの相談が見られたり、自分が書き込んだりすることもできます。
また、育児ノイローゼは心の病気ですので、必要に応じて病院へ行くことも大切です。旦那さんと一緒にカウンセリングを受けられるところもありますので、薬に抵抗があって病院へ行きたがらない場合には、そのような場所を探すのがおすすめです。
育児ノイローゼといえば母親がなるものというイメージするかもしれませんが、「イクメン」がもてはやされる現在では父親が育児ノイローゼに陥ってしまうケースも少なくありません。
原因は人によって違ってきますが
などが挙げられます。とくに、まじめで何事にも一生懸命に取り組む人ほど育児ノイローゼに陥りやすい傾向にあり、育児ばかりでなく仕事に支障が出るケースも多いです。
疲れが取れない、子供に興味が持てない、身体が常に怠い、などの症状が見られる場合は育児ノイローゼの可能性があります。
たまには育児を離れて父親の一人時間を作る、趣味の時間を確保する、仕事で疲れたときはしっかり休む、といった対策を取りましょう。
また、不眠や食欲不振などの症状が続くときはできるだけ早く心療内科などで相談することをおすすめします。
「妻が育児ノイローゼかな?」と思ったら、症状が深刻になる前に対処するようにしましょう。近くにいる旦那さんは、最初に異変に気付いてあげられる重要な存在です。家事や育児の負担を手伝って減らし、話を聞いてあげましょう。