淋病の検査ってどんなふうに行われるの?

2018/8/8

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

淋病を発症すると、男性の場合は尿道からの膿や排尿痛に見舞われるようになります。では、こうした淋病と疑わしい症状が出た場合、どんな検査が行われるのでしょうか?検査内容やいつから検査可能かなどについて、以降でご紹介していきます。

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淋病の検査はどんなことを行うの?

性行為等を通じて性器や喉、直腸などに「淋菌」が感染し、淋病(淋菌感染症)を発症した場合、男性の場合は尿道からの膿やかゆみ、排尿痛などが起こるようになります。一方、女性はほとんどが無症状ですが、おりものの増加や排尿痛などの自覚症状が現れる場合もあります。

そして、上記のような淋病と疑わしい症状が出た場合は、以下のような検査を行うことになります。

男性の場合

尿検査を行います。具体的には、尿道からの膿の「顕微鏡検査」、初尿の「淋菌分離培養検査」、尿の「遺伝子増幅検査(PCRあるいはSDA)」の3種類の検査が実施されます。

なお、この尿検査を受ける前には、2時間ほど排尿を我慢する必要があります。また、抗生物質を服用すると正しい検査結果が得られなくなるので、検査前は抗生物質の服用を控えてください

女性の場合

腟鏡と呼ばれる器具を腟内に挿入し、綿棒で検体を採取する「腟内組織採取」による検査が行われます。

咽頭感染・直腸感染の場合

オーラルセックスなどにより、喉の粘膜で淋菌感染が起こる「咽頭淋病」の疑いがある場合(基本的に無症状ですが、まれに喉の痛みや腫れ、発熱などの症状が出ることがあります)は、咽頭周辺のうがい液による検査が実施されます。生理食塩水でうがいをし、それを吐き出したものを検体として、感染の有無を調べる検査です。

また、アナルセックスによって直腸への感染が疑われる場合は、肛門周辺の分泌物をぬぐったものを検体として検査することになります。

淋病の検査はいつから受けられる?何科を受診すればいい?

淋菌に感染してから淋病を発症するまでの潜伏期間は2~7日ですが、この潜伏期間の間も淋菌は存在します。そのため、TaqMan PCR法(病原菌のDNAを増幅して調べる感度の高い検査)であれば、感染機会からすぐに病原菌の有無をチェックすることが可能です。

なお、淋病の検査を受けたい場合は性病科か、男性の場合は泌尿器科、女性の場合は婦人科を受診しましょう。ただ、検査を実施しているかどうかについては、事前にご希望の医療機関に問い合わせるようにしてください。

淋病の検査はパートナーと一緒に

コンドームなしでの1回の性行為で、淋病に感染する確率は20~50%とかなり高いです。そのため、一人が淋病に感染していた場合は、パートナーも感染している可能性が高くなります。

また、一人だけで淋病を治癒させても、パートナーが感染したままだとその後もうつし合い(ピンポン感染)を続けるリスクが生じます。そのため、淋病と疑わしい症状が現れたら二人で一緒に性病科を受診し、検査を受けることをおすすめします。

おわりに:淋病の検査を希望するなら、詳細について事前に問い合わせを

淋病の検査方法は、性別や感染が疑われる部位によって少しずつ異なります。実施している検査方法や、結果が出るまでの期間は医療機関によって違う可能性があるので、事前にご希望の医療機関に問い合わせるようにしましょう。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

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