コンジローマにヨクイニンは効く?どうやって治せばいいの?

2018/8/13 記事改定日: 2019/8/19
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

コンジローマ(尖圭コンジローマ)は、再発しやすい厄介な性病(性感染症)ともいわれています。では、コンジローマが完治することはあるのでしょうか? コンジローマの主な治療法や、近年注目を集めているヨクイニンによる治療効果の話と併せてお伝えしていきます。

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ヨクイニンでコンジローマが治るって本当?

コンジローマの治療は下記で説明する薬物療法と手術療法が主流ですが、ヨクイニンの服用してコンジローマを治療する場合もあります。ヨクイニンとは、イネ科のハトムギの種から硬い皮を取り除いたもののことです。これを煎じて成分を抽出した液体を、エキス製剤として服用します。

このヨクイニンはイボ治療に用いられる代表的な薬で、膿の吸収と排出を促進する作用があり、肌を含めた体全体の免疫力を高める効果があるといわれています。

ヨクイニンには、コンジローマの原因ウイルス・HPVの活動を抑制する直接的な作用があるわけではありませんが、免疫力を向上させることでHPVの活性化が抑えられ、結果的にイボの軽減につながる効果が期待されています。

「ヨクイニンを服用すれば必ずコンジローマが治る」というわけではありませんが、肌の代謝や免疫力を高める作用が、コンジローマのイボにも効果的に働く可能性はあるでしょう。

ただし、自己判断での使用はおすすめしません。必ず医師に相談したうえで使用しましょう

コンジローマは完治できるの?

コンジローマの治療法には主に以下の2種類があります。

薬物療法
塗り薬(現在保険適用となっているのは、べセルナクリーム5%®のみ)を患部に塗布することで、HPVの増殖を抑制する治療法。
外科治療
イボを液体窒素で凍結させて除去する「凍結療法」、イボを電気メスで焼く「電気焼灼」、イボを炭酸ガスレーザーで除去する「レーザー治療」、専用器具でイボを切除する「外科的切除」など。

治療をすることでコンジローマの表面上のイボは取り除くことができます。しかし、現状ではHPVを完全に除去する治療法は確立されていません。
イボを除去しても、体内のHPVが再活性化すると3ヶ月以内に症状が再発してしまうことがあります。

こうした問題点があるので、何をもってコンジローマが「完治した」とするかは非常に難しいところですが、臨床的にはコンジローマのイボが消失し、3ヶ月以上再発していない状態を「治癒」と定義しています。

「完治」の定義は医師によって異なりますが、治療から1年以上経過しても再発が見られない場合は、おおむね完治とみなされるようです。

コンジローマの再発を防ぐにはどうすればいい?

コンジローマの原因となるウイルスは、一度感染すると症状が改善しても体内に残り続ける性質があります。体内に残ったウイルスは普段はおとなしく眠った状態となっていますが、疲れがたまった時や体調が悪い時などに免疫力が低下すると活性化して再びイボを形成することがあります。

このような再発を防ぐためにも次のような点に注意した生活を送りましょう。

  • 普段から睡眠や休息時間を確保する
  • ストレスを溜めない
  • 仕事や学業などで無理をしすぎない
  • 疲れを感じたときはしっかり休むようにする
  • 手洗いやマスク着用などを徹底して風邪をひかないようにする

おわりに:免疫力を維持して、コンジローマの再発を予防しよう

コンジローマは、原因のHPVを完全に除去する治療法がなく、また治療後も半年以上経ってから再発するケースもあるため、「完治」の定義は非常に難しいです。
ただ、体の免疫力が向上するにつれて、コンジローマの症状も徐々に出にくくなっていくといわれています。万が一再発してもイボを除去することはできるので、生活習慣を整えて免疫力を維持しつつ、気長に経過を見ていきましょう。

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