記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/8/21 記事改定日: 2019/9/26
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
発症すると、性器付近にカリフラワー状のイボができるコンジローマ(尖圭コンジローマ)。このコンジローマの治療法にはまず手術がありますが、薬でも治すことはできるのでしょうか? 治療で用いられる塗り薬の効果や塗り方の注意点、副作用などを解説していきます。
コンジローマとは、主に性行為を通じて皮膚や粘膜の小さな傷から、「HPV」(ヒトパピローマウイルス)6型・11型に感染したことで発症する性病です。HPVの感染から、およそ3週間~8カ月(平均は3カ月ほど)の潜伏期間の後、性器や肛門付近にイボなどの症状が現れるようになります。
このコンジローマの治療法として、主に以下の2種類があります。
病変部やイボの数、大きさ、過去に行った治療内容などによって治療法は変わります。特にコンジローマはHPV自体の根絶が難しく、再発率の高い性病ともいわれていますが、上記治療法の中で再発率が低いとされているのが、ベセルナクリーム®による薬物療法です。現在保険診療の対象となっている外用薬は、ベセルナクリーム5%®のみとなっています。
ベセルナクリーム5%®は、HPVの増殖を抑制し免疫機能を高め、感染した細胞を障害する作用があります。塗り方の手順は以下の通りです。
ベセルナクリーム5%®は、1日1回、1週間に3回、就寝前に患部に塗ります。薬効効果が現れるまでの期間には個人差がありますが、最低2週間以上(計8回)塗布すると、少しずつイボが小さくなっていきます。
ベセルナクリーム5%®を塗るときは、特に以下のことに注意してください。
ベセルナクリーム5%®を塗布した患者のおよそ8割に、塗布部分の赤み、ただれ、潰瘍、表皮の剥がれなどの副作用が見られます。あまりにも皮膚反応が激しい場合は医師に報告し、使用頻度を調整してもらうようにしましょう。
ベセルナクリーム5%®は、生理中でも塗布可能です。ただし、生理用ナプキンをつけると塗布部分が密封され、副作用である皮膚のただれがひどくなってしまう恐れがあるので、塗布中はタンポンを使用するようにしてください。また、タンポンに薬がつかないよう、注意することも必要です。
なお、こうした点から生理中の塗布を避けたり、別の治療法が選択される場合もあります。