記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/8/6
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
性器や肛門周辺に、カリフラワー状のイボが複数発生するのが特徴のコンジローマ(尖圭コンジローマ)。比較的有名な性病(性感染症)の一つですが、ストレスがきっかけでコンジローマを発症することはあるのでしょうか?コンジローマの原因について解説します。
コンジローマとは、性器や肛門の周辺にイボができる性病の一種です。原因は「HPV」(ヒトパピローマウイルス)6型・11型への感染で、主に感染者との性行為を通じて、皮膚や粘膜の小さな傷からHPVが侵入することで感染します。
具体的には、感染者とのコンドームなしでの腟性交やアナルセックスなどが高リスクな感染経路です。コンジローマ感染者と性行為を行うと、60〜70%の確率でパートナーにも感染するともいわれています。
また、感染原因は性行為だけとは限りません。HPVは皮膚や粘膜の小さな傷から侵入するので、まれに幼児が感染者の両親と接触したことで発症するケースもあります。そのほかにも、コンジローマに感染している妊婦が未治療のまま出産すると母子感染を起こし、喉にイボができる多発性咽頭乳頭腫を招く場合もあります。
お伝えしたように、コンジローマの発症原因はHPV6型・11型の感染にあるので、そもそもこれに感染していなければ突然コンジローマを発症することはありません。
しかし、あくまで発症のきっかけとして、ストレスが関わっている可能性はあります。HPVの感染やコンジローマの発症、症状の悪化には免疫力が関連していると考えられているからです。
ウイルスは、ウイルスに対する抵抗力である免疫力が低い状態のとき、活動を強めます。つまり、寝不足で疲労が溜まっていたり、仕事などのストレスが過剰に蓄積されていたりすると、それが神経に影響して免疫力が低下し、コンジローマを発症しやすくなる可能性があるのです。
コンジローマに限った話ではありませんが、感染症全般への抵抗力を高めるためにも、規則正しい生活やバランスの良い食事、定期的な運動、ストレスの定期的な発散を心がけ、免疫力の向上に努めましょう。
HPVに感染していない人が、ストレスの蓄積で突如コンジローマを発症することはありません。しかし、ストレスや疲れが過度に蓄積しており、免疫力が低下していると、HPVに感染しやすくなったり、コンジローマが悪化しやすくなったりする可能性はあります。
コンジローマは一度発症すると再発することも少なくないので、免疫力を高め、性行為のときは必ずコンドームをつけるなど、できる予防策を行いましょう。