熱疲労になると、どんな症状が出てくるの?対処法は?

2018/8/9

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

暑い時期に要注意の症状のひとつに、「熱疲労」というものがあります。以降ではこの熱疲労とはどういう状態のことなのか、具体的な症状や対処法と併せて解説していきます。

熱疲労とはどんな状態のこと?

「熱疲労」とは、高温の環境下での運動時などに、大量の発汗とともに体内に熱がこもることで起こる「熱中症」の一種です。暑さによって体の塩分(電解質)と水分が過剰に失われて血液量が減少し、場合によって失神などさまざまなショック症状を起こします。

熱中症の症状には軽度から重度のものまであり、その度合いから、酷使した筋肉に痛みと痙攣(けいれん)を起こす「熱痙攣」、さまざまな症状を起こす「熱疲労」、熱疲労が重症化し死に至ることもある「熱射病」の3つに分けられるほか、一過性の失神などを起こす「日射病」があります。

熱疲労は熱痙攣より重症で、より大量の水分や塩分が失われて症状も重くなります。過度の暑さにさらされ続けた場合は、命に関わる熱射病へと進行することがあります。

熱疲労になったらどんな症状が出てくるの?

熱疲労の症状は、はじめは漠然としていてほかの多くの病気と似ているため、暑さのために起きていると気づかない場合があります。具体的には、めまい、ふらつき、筋力低下、疲労、頭痛、かすみ目、筋肉痛、吐き気、おう吐などがあり、立ち上がるときに意識を失うことがあります。

症状が進んで、大量の発汗、心拍数や呼吸数の上昇、強い口の渇き、倦怠感、強い疲労感、興奮などの症状があらわれたら熱射病の前段階で、すぐに医師の診断が必要な状態です。

普通は発熱があっても40℃を超えることはほとんどありませんが、重症化して熱射病に進むと異常に体温が上昇します。熱射病では、汗が止まって40℃以上の高熱を出し、頻脈、血圧の上昇、昏睡などが起こります。体内では血液が凝固して、中枢神経障害、多臓器不全など全身の臓器に障害が起こり、死に至る可能性があります。

熱疲労の疑いが見られたら救急車を呼ぼう!

熱疲労は、運動や仕事のときだけでなく、車内などの気温・湿度の高い狭い空間でも発症します。梅雨明けや前日より気温が急に上がったとき、休み明けや連日激しい運動を続けているとき、アスファルト舗装されている場所などでは、特に起こりやすくなります。

熱疲労は、一度起きると連続して起こりやすくなるので、応急処置でいったん回復したようでも必ず医師の診察を受けるようにしましょう。特に、乳幼児や高齢者、下痢や発熱など体調不良の人や寝不足の人、疲労している人、肥満の人は要注意です。

また、周囲に熱疲労の疑いがある人が現れたら、すぐに救急車を呼んでください。また、救急車が来る前の応急措置として、以下のことを行うようにしてください。

  • 風通しのよい日陰など、涼しい場所や冷房のある場所で安静にさせる
  • 意識がはっきりしていれば、スポーツドリンクなど塩分(電解質)を含む水分を補給する
  • 衣服をゆるめて足を少し高くして寝かせ、体温が高いときは冷やす

おわりに:熱疲労が重症化すると命に関わることも

熱疲労は熱中症のひとつで、大量の発汗、めまいや頭痛、おう吐、心拍数や呼吸数の上昇、強い口の渇き、強い疲労感などが起こり、意識を失うこともあります。重症化すると熱射病となり、汗が止まって高熱を出し命にかかわる可能性があります。熱疲労の疑いがあれば、すぐに救急車を呼んで医師の診察を受けるようにしましょう。

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