サイトメガロウイルスの治療法は?治療が必要なのはどんな人?

2018/8/16 記事改定日: 2019/6/28
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

サイトメガロウイルスは感染しても自覚症状が現れにくく、気づかれにくいという特徴があります。では、サイトメガロウイルスに感染して治療が必要になるのはどんな人でしょうか?
この記事では、サイトメガロウイルス感染症の治療方法について解説していきます。

サイトメガロウイルス感染症ってどんな特徴があるの?

サイトメガロウイルスは、ヘルペスウイルスの一種です。多くの人では小児期に幼稚園や保育園で水平感染していますが、ほとんどの人は無症状で終わってしまいます。
そのため、感染したという自覚がなく抗体を持っている人が多く、成人の60〜90%が過去、何らかの形でサイトメガロウイルスに感染し、抗体を持っています。

また、このウイルスは一度感染すると、無症状の状態で潜伏し体内に留まっています。健康な人であれば何の問題もありませんが、何かのきっかけで免疫機能が低下すると再活性化し、様々な症状を引き起こします。

妊娠中の感染

妊娠中の女性がサイトメガロウイルスに感染すると、胎盤を通じて胎児に感染することがあります。
感染しても多くは無症状のまま出生・成長しますが、症状が現れた一部の胎児は障害が残ることがあります。また、サイトメガロウイルス感染症は進行性の疾患であるため、出生時は無症状であっても、成長してから障害が現れることもあります。

症状が出たときは、どんな変化が現れるの?

サイトメガロウイルスに感染しても、健康な人であればほとんどが無症状です。ごく少数、体調不良や熱を出すこともありますが、軽症で終わります。
ただ、10代〜20代の若年層の場合、発熱や疲労感など、伝染性単核球症と似た症状が起こることがあります。

そして、免疫機能が低下している場合は

  • 発熱
  • 間質性肺炎
  • 腸炎
  • 肝炎
  • 網膜炎
  • 肺炎

などがさまざまな感染症を発症することがあり、サイトメガロウイルスは網膜に感染しやすく、目の感染が重篤化すると失明に至る危険性もあります。

サイトメガロウイルス感染に注意が必要なのは?

サイトメガロウイルスは、健康な人であれば感染に注意する必要はありません。サイトメガロウイルスの感染に注意が必要なのは、免疫機能が低下している方と、妊娠中の方です。

免疫機能の低下にはいろいろな原因がありますが、主に臓器移植などで強制的に免疫機能を抑制している場合や、HIV感染からAIDSを発症して免疫機能が著しく低下している場合は明らかにリスクが高いことになるので、とくに注意しましょう。

また、妊娠中に感染すると流産や死産、新生児死亡のリスクが高まり、胎盤を通じて胎児に感染すると出生後に障害が残る可能性があります。妊娠中の感染症対策にも気をつけてください。

サイトメガロウイルス感染者で治療が必要なのはどんな人?

サイトメガロウイルスの治療が必要なのは、強い自覚症状が現れたときです。特に、臓器移植などをしている方が間質性肺炎を引き起こしてしまい、生命を脅かす危険性がある場合、また、網膜に感染して失明の危険がある場合には早期の治療が必要になります。

治療方法

サイトメガロウイルスは基本的に軽症であることが多く、発熱に対する解熱剤や関節痛に対する鎮痛薬などの対処療法を行って様子を見ていくことがほとんどです。

しかし、命に関わるような重篤な症状がある場合や網膜炎の悪化によって失明の危険があるような場合には、バルガンシクロビルやガンシクロビル、シドホビルなどの抗ウイルス薬が使用されることもあります。これらの抗ウイルス薬は非常に副作用が強く、なかには治療効果が見られないこともありますので、慎重な投与を必要とされます。

おわりに:サイトメガロウイルスは免疫機能低下中と妊娠時の感染に注意!

サイトメガロウイルスは、健康な人ではほとんど症状が現れることはありませんが、免疫機能が低下していたり、臓器移植などの治療の関係で免疫機能を弱めていたりする場合にはウイルスが再活性化してしまうことがあります。

また、妊娠している方がサイトメガロウイルスに初めて感染すると、母体を通じて胎児が感染してしまうことがあり、胎児に障害が残る可能性があるため、こちらも危険です。
上記に当てはまる方は、サイトメガロウイルスに十分注意して過ごしましょう!

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