記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/8/21
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
おりものの変化や腟のかゆみなど、トリコモナス症が疑われる症状が出た場合、診断に向けてどういった検査を行っていくのでしょうか?また、検査方法は男性と女性で異なるのでしょうか?
トリコモナス症とは、性行為などによって「腟トリコモナス原虫」という微生物が侵入したことで起こる、性病の一種です。主に性行為によって感染しますが、特に性行為をしていなくても、下着やタオルの共有、浴槽などを介して感染するケースもあります。
また、腟トリコモナス原虫は名前に「腟」と入っていますが、感染する場所は腟に限りません。膀胱や尿道などにも感染することがあり、女性だけでなく男性でも感染する可能性があります。特に男性は、尿道からの感染のケースが多いです。
トリコモナスに感染・発症した場合、以下のような症状が現れます。
ただし、感染した女性のおよそ4割、男性では大半がほとんど自覚症状を感じないとされています。
女性の場合は、綿棒などで腟分泌液をぬぐって採取し、顕微鏡や培養検査にかけることで、腟トリコモナス原虫の有無を確認します。
男性の場合は、綿棒などで尿道の膿を採取し、顕微鏡か培養検査にて腟トリコモナス原虫の有無を確認していきます。しかし、先ほどお伝えしたように男性の大半には症状が現れないため、うまく確認できないことがあります。また、男性はトリコモナスに感染したとしても、排尿時に尿と一緒に原虫を自然排出してしまうケースも少なくありません。
トリコモナス症の検査は、感染の機会から2~3日後には検査可能です。検査費用は保険適用内か適用外かによって異なりますが、保険適用内の場合は3000円前後、適用外の場合は8000円前後が相場です。
ご紹介したように、男性か女性かでトリコモナス症の検査方法は少しずつ異なります。感染機会から比較的早期に検査は可能なので、気になる症状が現れたら早めに性病科(女性の場合は婦人科、男性の場合は泌尿器科でもOK)を受診するようにしましょう。