記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/8/22
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
トリコモナスを発症すると、女性の場合は泡状で悪臭の強いおりものが出たり、激しい膣のかゆみが起こったりします。では、男性の症状はどうなのでしょうか? 自然治癒の可能性も含め、お伝えしていきます。
トリコモナスとは、腟トリコモナス原虫という微生物が侵入することで起こる病気です。主に性行為によって感染しますが、下着やタオルの共有など、性行為以外の感染経路で感染する場合もあります。
腟トリコモナス原虫は名前に「腟」と入っていますが、膀胱や尿道、前立腺などにも感染することがあり、女性だけでなく男性にも感染の可能性があります。ただ、男性は女性と比べ、ほとんど症状が現れません。
男性がトリコモナスに感染すると、腟トリコモナス原虫は前立腺や精嚢などに寄生するようになるのですが、自覚症状が出るのはたまたま原虫が尿道に出てきたときくらいです。もし尿道で感染を起こした場合は、10日程度の潜伏期間の後、以下のような症状が現れることがあります。
トリコモナスの感染部位が尿道のみの場合は、排尿時に自然治癒する場合があります。ただし、腟トリコモナス原虫は男性の場合、前立腺や精嚢に寄生していることが多いため、前立腺炎を併発しているケースも少なくありません。
トリコモナス感染が疑われる男性の場合は、尿道の膿を採取し、顕微鏡か培養検査にて腟トリコモナス原虫の有無を確認します。しかし先ほどもお伝えした通り、男性の場合は無症状のことがほとんどなので、検査は容易ではありません。
検査の結果トリコモナスと診断された場合、男性では抗生物質のメトロニダゾール250mgを1日2回、10日間(あるいは1.5gを単回で)内服するという治療法がとられます。この内服期間が終わった後に再検査し、症状と腟トリコモナス原虫の消失を確認したら、治療完了となります。
男性の場合は、トリコモナスに感染したとしても目立った症状が出ないケースがほとんどで、尿道のみの感染であれば排尿時に自然治癒してしまうこともあるほどです。基本的には抗生物質の服用によって治癒可能なので、もしも尿道のかゆみや膿など、異変に気づいたら早めに皮膚科を受診しましょう。また、症状がなくても定期的に性病検査を受けるようにしましょう。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。