記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/8/22 記事改定日: 2019/4/19
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
肋骨からみぞおちにかけて、胃の入り口や食道のあるあたりがチリチリと痛んだり、締め付けられるような感覚のする胸焼け。
今回は胸焼けの原因について、ストレスで胸焼けが起こる場合に考えられる病気や、ストレスによる胸焼け症状が出たときの対処法などを解説していきます。
胸焼けは、ストレスの影響を受けやすい自律神経の作用と深くかかわっているため、ストレスが原因となって胸焼けになる可能性は十分にあります。
胸焼けを起こすストレスの具体例としては、以下のようなケースが考えられます。
人間が生きていくうえで、多少のストレスがかかるのは仕方のないことです。しかし、その人にとって過度なストレスを受け続けると、負荷に身体が耐えられなくなり、人間の生命活動に必要な機能を司る自律神経に異常をきたし、心身に不調が現れます。
これを自律神経失調症といい、その一環として胃や十二指腸の機能が低下し、胃酸の逆流から胸焼けが起こることがあるのです。
ストレスから胸焼けが起こっている場合、単なる胸焼けだけでなく、以下のような消化器官の病気が潜んでいるかもしれません。
胸焼けと一緒に上に挙げたような症状がみられる場合は、病気の症状である可能性が高いので、要注意です。
ストレスによる胸焼けに対処するには、胸焼けそのものの症状を緩和し、かつストレスを軽減する工夫を一緒に行うのが効果的です。
以下に、ストレスによる胸焼けへの対処法を4つご紹介しますので、参考にしてください。
胸焼けの症状があるときは、服やベルトで胃を圧迫していると悪化する恐れがあります。そのため、逆におなかを強くしめつけない、ゆったりとした服装を心がければ、症状が軽減される可能性があります。
横になったときや、寝ているときに胸焼けの症状が起こりやすいなら、横になるときの姿勢を工夫することで予防できます。
就寝時に身体の下にクッションを入れ、20~30°体を起こすようにすると効果的です。
自律神経のバランスを整え、リラックスさせてくれる腹式の深呼吸を習慣化しましょう。
脱力しておなかをへこませながらゆっくり息を吐きだし、おなかを膨らませながら息を吸い込むのを1日に何度か繰り返すと、ストレスが軽減されます。
心身を休めることは、ストレスによる不調からの回復に有効であり、必要な行為です。辛いときに休むことは、決して悪いことではありません。
何も考えずにぼーっとする、好きなことだけをして過ごす、十分な睡眠をとるなど、気持ちを楽にして休息をとってください。
上記のような対処法を実践しても症状が良くならなかったり、長期間にわたってストレスによる胃痛や胸焼けの症状があるときは、医師の診断・治療を受ける必要があります。
ストレスで辛いときは我慢をし過ぎないで、早めに内科・消化器科などがある病院に行ってください。
ストレスが原因の胸焼けには、消化を促すパンシロン®、胃酸の分泌を抑えるガスター10®、太田胃散®、胃腸の過度な緊張をほぐすイノキュア®などがおすすめです。
食後すぐに胸焼けが生じる場合には消化を促す作用や胃酸の分泌を抑える作用のもの、食後時間が経ってからも胸焼けが長く続く場合には胃腸の運動を促す作用のものがよいでしょう。
軽度の胸焼けであればこれらの市販薬で症状が改善することもありますが、なかなか症状が改善しなかったり、発症を繰り返す場合には何らかの病気が背景にある可能性も否定できません。このような場合には漫然と市販薬の服用を続けず、病院で検査・治療を受けるようにしましょう。
胃酸の分泌をはじめ、胃や十二指腸の働きは自律神経と深くかかわっています。このため、ストレスによって自律神経のバランスが乱れると、その影響を受けて胃酸の分泌過剰や胃の機能低下が起きて、胸焼けが起こることがあるのです。
ストレスによる胸焼けには、衣服や日常生活を工夫することで対処できますが、長引くなら医師による治療が必要です。辛いときは我慢しないで、早めに内科・消化器科がある病院に行きましょう。