トリコモナスの感染原因は? 不妊の原因にもなるって本当?

2018/8/16

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

性交渉の機会が比較的多い若い人たちだけでなく、中高年層や幼児でも感染が発覚することのある「トリコモナス」。性病(性感染症)の一種としても知られていますが、どんな原因で感染することがあるのでしょうか。女性が感染した場合の、不妊症に発展するリスクについても併せて解説します。

トリコモナスの感染原因は?

トリコモナスとは、「腟トリコモナス原虫」が性器内部に侵入することで起こる感染症です。「腟」という言葉がついていますが、尿道や膀胱などにも感染することがあり、女性だけでなく男性も発症する可能性があります。

このトリコモナスの感染原因には、主に以下のものが挙げられます。

性行為

トリコモナスの主な感染経路です。腟トリコモナス原虫は女性の場合は腟や子宮の入口、男性の場合は前立腺や精嚢に寄生していることが多く、感染者の精液や腟分泌液を介して、性行為によって感染します。

なお、トリコモナスは通常の腟性交、アナルセックス、オーラルセックスで感染する可能性がありますが、オーラルセックスでの感染率は低い傾向にあります。

トリコモナスに感染すると、女性の場合は泡状の悪臭を放つおりものや腟のかゆみ、男性の場合は尿道からの膿やかゆみといった症状が現れることがありますが、感染者の女性のおよそ4割、男性の大半はほとんど自覚症状が現れないといわれています。そのため、感染に気づかずに性行為をし、パートナーに感染を広げてしまいやすいという問題点があります。

下着やタオルなどの共有、浴槽による感染

トリコモナスの主な感染経路は性行為ですが、腟トリコモナス原虫は乾燥した環境には弱い一方、水中ではかなり長生きするという性質をもつため、トリコモナス感染者と同じお風呂に入ったことで家庭内感染を起こすことがあります。そのため、性行為経験のない幼児でも感染する可能性があるのです。

またこのほかにも、トリコモナス感染者との下着やタオルの共有、そして便器の接触を通じて感染する可能性もあるとされています。

垂直感染

非常にまれなケースではありますが、トリコモナスに感染した女性が未治療のまま妊娠・出産すると、そのまま胎児に垂直感染を起こすという事例も報告されています。

トリコモナスが不妊の原因になるって本当?

先ほどもお伝えした通り、トリコモナスに感染しても自覚症状がほぼ見られない人は決して少なくありません。しかし、女性の場合は未治療のまま放置していると、悪化して炎症が卵管にまで広がり、不妊症の原因となる可能性があります。また、妊娠中の女性の場合は、胎児への垂直感染だけでなく、早産の原因となることがあるともいわれています。

おわりに:浴槽やタオルの共有を介してうつることもあるトリコモナス。定期的な性病検査を

トリコモナスは性行為だけでなく、浴槽や下着・タオルの共有、垂直感染などによっても感染することがあります。ただ、トリコモナスは自覚症状が出ない人も多いため、知らない間にうつされてしまうケースも少なくありません。異変が出たときはもちろん、特に症状がなくても、定期的に性病検査を受けるようにしましょう。

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