記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/8/15
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
はしか(麻疹)は定期的に流行する病気です。抗体を持っていないと、感染の機会があるとほぼ100%感染・発症するといわれています。この記事では、抗体検査を受けたほうがいい場合や検査結果がわかる時期、費用などを解説します。
はしか(麻疹)は、はしかウイルスが原因の病気です。非常に強い感染力を持ち、空気中に含まれるウイルスを吸い込むことで感染します。一度感染したり、予防接種を受けたりして、体内にはしかの抗体を持っていれば、たとえウイルスが体内に入ってもウイルスの働きを抑えることができますが、はしかの抗体を持っていない場合はほぼ確実に症状があらわれるといわれています。
主な症状は全身の発疹と高熱ですが、肺炎や脳炎などを合併し、命にかかわることもあります。また、妊娠中にはしかを発症すると胎児に影響があらわれることがあります。
はしかに感染したかどうか記憶にない人や、子供の頃に予防接種を2回受けたかどうか覚えていない人は、はしかの抗体が体にあるかどうかわかりません。また、はしかの抗体は一生あるとは限らず、抗体が消えてしまっていることもあります。このような場合、抗体検査を受けたほうが安心です。
はしかの抗体検査は医療機関で受けられます。ただし、保険がきかないので自費診療となります。また、検査を受けて抗体がないとわかりワクチンを注射する場合は別途追加料金が必要です。
抗体検査もワクチンの接種も、料金は医療機関によって異なります。抗体検査は5000円前後、ワクチン接種は風疹とはしかの混合ワクチンで数千円〜1万円程度が目安となります。事前にいくつかの医療機関に問い合わせてみることをおすすめします。
また、自治体によっては抗体検査やワクチン接種が無料になったり、助成が行われていることがあります。居住地の自治体で助成が行われていないか、また自分や家族が対象になっていないかを確認してみましょう。
はしかの抗体検査は検査をした日に結果が出るわけではなく、検査を受けてから3~5日程度で結果がわかることが多いです。検査結果が(−)や(±)の場合は、はしかの抗体がない、あるいは、あっても非常に少ないということを表しています。ワクチンを接種しても、すぐに抗体ができるわけではありませんので、先送りせず、早めにワクチン接種をしましょう。
抗体検査を受けなくても、ワクチン接種は可能です。検査で抗体がないことを確認してからワクチン接種となると、検査とワクチン接種の両方の費用がかかります。体内に抗体があったとしても、ワクチン接種をして問題ありません。はしかについて不安がある人は、抗体検査をせずにワクチン接種を受けましょう。
はしかは発疹と高熱を特徴としますが、合併症が起こって命に関わることもある怖い病気です。感染力が非常に強いため、体内に抗体をつくって予防をすることが大切です。
自分や家族が抗体を持っているかどうかあいまいなときには、抗体検査で確認できます。また、抗体の有無にかかわらず、ワクチンを接種することもできます。ワクチンを接種しても、体内に抗体ができるまでは時間がかかります。早めの接種をおすすめします。