気分変調性障害と診断された・・・仕事はどう見つけていけばいい?

2018/8/23

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

軽度の抑うつ気分が持続したり、自尊心の低下が続いたりするのが特徴の気分変調性障害。もし気分変調性障害と診断された場合、仕事はどう見つけていけばいいのでしょうか?知っておきたい相談窓口や制度などをご紹介していきます。

気分変調性障害の人が、合った仕事を見つけるには?

気分変調性障害とは、軽度の抑うつ気分がほぼ1日中持続した状態が2年以上(成人の場合)続く病気のことです。WHOの診断基準「ICD-10」では「気分変調症」、アメリカ精神医学会の精神疾患の診断・統計マニュアル「DSM-5」では「持続性抑うつ障害」と呼ばれています。

気分変調性障害の人は、抑うつ気分のほか、下記の2つ以上の症状が持続するという特徴をもちます。

  • 食欲の減退、あるいは過食
  • 睡眠障害(不眠または過眠など)
  • 気力の低下や疲労感
  • 自尊心の低下
  • 集中力や決断力の低下
  • 絶望感

気分変調性障害の症状自体はうつ病と比べ軽度ではありますが、就労や仕事の継続など、日常生活における支障の大きさはうつ病と同程度ともいわれています。実際、仕事面での困難や悩みを抱える気分変調性障害の患者さんは少なくありません。

そこで、気分変調性障害の患者さんの就労に役立つ相談窓口や制度をご紹介します。

精神保健福祉センター

精神保健福祉センターとは、心の病を持つ人の自立や社会復帰を目指し、社会に適応していく力をつけるための指導や援助などを行っている公共施設です。電話相談や面接相談などを通じて、仕事や生活上困ったことの簡単な助言や、専門の相談機関の情報提供などをしてくれます。

各都道府県に設置されているので、お住まいの地域の精神保健福祉センターに一度問い合わせてみてください。

就労移行支援

就労移行支援とは、「障害者総合支援法」に基づいた就労支援事業の一種です。障害や難病の患者さんで、一般企業への就労を希望されている人に対し、就労に必要な知識や能力を習得するためのトレーニング(履歴書の書き方、PCスキルの向上、面接指導など)や、個々人に合った職場探し、就労後のアフターケアなどのサポートをしてくれます。

この就労移行支援を受けたい場合は、就労移行支援事業所に通所する必要があります。事業所は全国にあり、経営団体はNPO法人や社会福祉法人、民間企業などさまざまです。
事業所によってプログラム内容や雰囲気などは異なるので、自分に合ったところを選ぶことがまずは重要です。

なお、事業所の福祉サービスを受けるには、医師の意見書が必要となります。また、就労支援移行サービスの利用料金は、本人や配偶者の世帯収入に応じて無料の場合とそうでない場合があります。詳しくはご希望の事業所にお問い合わせください。

気分変調性障害の人が仕事を続けるために

気分変調性障害の人は、周囲に過度に気を遣う性格であったり、自責の念が過剰に強かったり、完璧主義の傾向が見られたりします。そのため、ささいなミスや上司からの指摘をきっかけにネガティブ思考が止まらなくなってしまい、体調を崩して仕事が持続できなくなってしまうことも少なくありません。

そんな気分変調性障害の人が仕事を継続するには、自分のミスに大らかになったり、楽観的に物事をとらえたりとポジティブ思考を身につけることが大切です。ただ、自力で考え方の癖を変えるのはなかなか難しいので、カウンセラーなど専門職の方の力を借りるのがいいでしょう。また併せて、先ほどご紹介した就労移行支援事業所の職場定着支援も活用するようにしましょう。

おわりに:就労移行支援などの制度の活用を

たとえ気分変調性障害と診断されたとしても、就労移行支援の活用や精神保健福祉センターへの相談などで、就労や仕事の困難の突破口が見つかる可能性があります。仕事のことでお悩みなら、ぜひ活用してみてください。

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