記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/8/24
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
もしご家族にO157の感染者が発生した場合、家庭内で必要となる処置が「消毒」です。では、具体的にどんなところを、どんなものを使って消毒すればいいのでしょうか?
家庭内でO157の感染者が出た場合、必要なのが感染リスクが高い場所の消毒です。具体的には、以下のポイントで消毒を徹底するようにしましょう。
感染者の糞便にはO157が含まれており、それが口に入ることで周囲へと感染が広がっていきます。感染者の糞便に触れた場合は石鹸と水でしっかり手を洗浄し、その上で消毒用エタノールなどで消毒を行ってください。
トイレの便座やドアノブ、バルブ、ペーパーホルダーなどは、感染者の糞便が付着している恐れのある箇所です。特に感染者がトイレで排便をした後は、手袋を着用の上、消毒用エタノールや0.2%塩化ベンザルコニウム(オスバン®やザルコニン®など)で必ず消毒を行ってください。
感染者が着用した下着などの衣類や寝具は、ほかの家族のものとは分け、家庭用漂白剤に漬けてから洗濯し、十分に天日干しを行ってください。
O157は熱に弱いため、煮沸でも十分な消毒効果があるといわれています。感染者の使った衣類や寝具は、80℃以上の熱湯に10分以上漬けておくという方法でも有効な殺菌効果が得られるとされます。
調理に使った器具や容器、手指などはその都度洗浄・消毒を行ってください。なお、生野菜など加熱せずに食べるおかずは経口感染のリスクが特に高いので、まな板や包丁の菌が付着しないよう使用前後にきれいに洗剤で洗浄し、キッチン用の消毒用エタノールや0.02%の次亜塩素酸ナトリウム(ハイター®など)でこまめに除菌することが大切です。
O157は腸管出血性大腸菌の一種であり、この腸管出血性大腸菌はさまざまな消毒剤に対する抵抗力が弱い菌といわれています。消毒剤の購入の際には表示を確認することが大切ですが、O157は消毒用エタノールや次亜塩素酸ナトリウム、ポビドンヨード、逆性石鹸液など、市販されている多くの消毒剤で殺菌効果が見込めます。
O157は消毒剤に対する抵抗力の弱い菌のため、市販の消毒用エタノールやハイター®などでも除菌効果が得られます。家庭内の二次感染を防ぐためにも、慎重かつ迅速に消毒を行うことが大切です。
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