記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/8/30
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
激しい下痢や腹痛などを引き起こすことで知られる「O157」は、有名な食中毒菌の一種です。感染経路としては、O157に汚染された食べ物や水の摂取が思い浮かびますが、人から人へうつることもあるのでしょうか?感染原因について解説していきます。
O157は、激しい下痢や腹痛などを引き起こす腸管出血性大腸菌の一種です。乳幼児や高齢者など免疫力の弱い人が感染すると、出血を伴う腸炎を起こしたり、命にかかわるほど重症化したりする危険性の高さで知られています。
また、O157は感染力の強い菌でもあります。多くの食中毒は、感染のために100万個以上の菌が体内に侵入する必要があるのに比べ、O157はたった50~100個体内に侵入するだけで感染が成立するといわれています。
このO157の主な感染原因は、O157に汚染された食べ物や水の摂取です。もともとO157は牛や豚などの家畜の腸内に生息する菌で、これら家畜の糞便や、糞便に汚染された食べ物や水にO157は存在します。なお、O157を含む食べ物は肉料理に限らず、サラダや蕎麦、惣菜などさまざまな食べ物に付着していることがあります。
また、O157の感染原因は、食品や水の摂取だけに限りません。感染者の糞便に含まれるO157が直接または間接的に口に入ることによって、周囲にうつる場合もあります。具体的には、以下のようなシチュエーションで感染する可能性があります。
お子さんがO157に感染・発症してしまった場合、下痢や腹痛などの症状がおさまったからといって、すぐに保育園や幼稚園に登園できるわけではありません。先ほどもお伝えしたように、O157は人から人へとうつることもある感染症かつ感染力が強いので、「症状がおさまり、かつ抗菌薬による治療が終了し、48時間以降の検便によって菌が陰性と確認されるまで」は登園許可は下りません(自治体や園によって多少異なる場合があります)。
O157は感染者の糞便にも含まれるため、汚物処理や接触の際に洗浄が不十分だと、人から人へうつることがあります。感染力が非常に強い菌でもあるので、二次感染を予防するために、十分な消毒など対処を徹底しましょう。
この記事の続きはこちら