不妊治療で使うクロミッドとは?正しい飲み方や副作用について解説!

2018/8/23

前田 裕斗 先生

記事監修医師

国立成育医療研究センター フェロー

前田 裕斗 先生

一部の不妊治療では、排卵誘発剤が使用されることがあります。
不妊治療とともに排卵誘発剤のことも広く知られるようになりましたが、使用される薬の種類について知っている人は、少ないのではないでしょうか。
今回は不妊治療で使われる排卵誘発剤の一種「クロミッド®」について、その特徴や基本的な飲み方、副作用などをご紹介していきます。

不妊治療で使われる「クロミッド®」ってどんな薬?

クロミッド®は、不妊治療中に使用されることのある排卵誘発剤の一種です。
何らかの事情で排卵を起こしにくい場合や、または排卵の状態をコントロールする目的で、以下のようなシーンで使用されます。

  • タイミング法を行う際に、十分に発育した卵子を排卵させるため
  • 人工授精のタイミングに、卵子の発達と排卵の時期をあわせるため
  • 体外受精や顕微授精のための採卵を行う場合に、排卵の時期を調整するため

クロミッド®が排卵に作用するメカニズムには、卵子を妊娠可能な成熟した状態にまで育て、排卵に至るまでを管理する働き「エストロゲン拮抗作用」が関係しています。エストロゲン拮抗作用とは、簡単に言うと卵胞ホルモンであるエストロゲンが、卵子が成熟した状態で排卵されるよう、ホルモンをコントロールする作用のことです。

通常、卵子のもとである卵胞は卵胞刺激ホルモン(FSH)によって発達を促され、妊娠可能な成熟した状態になってから排卵されます。
エストロゲンの分泌量が少ないと卵胞刺激ホルモン(FSH)が分泌されて卵子が育ち、エストロゲンが増えてくると卵子が成長したと判断され、黄体ホルモン(LH))の分泌が急激に増加し排卵が促されますが、クロミッド®はこの仕組みに作用し、エストロゲンが増えたことを伝える信号から脳を遮断し、しっかり卵子を育ててから排卵させるよう調整する働きがあります。

クロミッド®の飲み方は?

クロミッド®は、その人の月経周期にあわせて医師が組んだ服用スケジュールをもとに、決まった時間に5日連続で服用します。
一般的には生理開始の3~5日後から服用を開始し、決められた時間に1~3錠、医師から指示された用法・用量を守って内服していきます。

なお、クロミッド®はピルと同様に月経周期にかかわるホルモンに作用する薬ですので、医師の指示を守って5日間継続的に飲まないと、効果を発揮しません。服用期間中の5日間は毎日同じ時間に飲むことが推奨されていますが、当日中に飲み忘れに気づいた場合は、数時間ずれていてもすぐに服用すれば問題ないとされます。

ただし、もし予定時刻から1日以上経ってから飲み忘れに気づいた場合は勝手に服薬せず、どのように対処すべきか主治医に指示を仰ぎましょう。忘れていたからといってまとめて飲んだり、自己判断で服薬を中止するのは危険ですので、何か気になることがあれば必ず医師に相談してください。

クロミッド®にはどんな副作用が起こる?

ここからは、クロミッド®の服用で起こり得る代表的な副作用についてご紹介していきます。

副作用

比較的、軽微なもの
眠気、目のかすみ、発疹、かゆみ、頭痛、腹痛、食欲不振、便秘  など
重症化が危惧される、危険なもの
卵巣過剰刺激症候群(OHSS)

上記のうち、特に卵巣過剰刺激症候群(OHSS)は腹部の張りや痛みを伴い、重症化すると命に危険を及ぼす可能性もあります。
いずれにしても、気になる副作用が出るようであれば、早めに主治医に相談しましょう。

不妊治療にクロミッド®を使うメリットは?

排卵誘発剤にはクロミッド®のような内服タイプの他にも、点鼻薬や腹部皮下注射など、さまざまなタイプがあります。

しかし排卵誘発剤として注射薬を使う場合、患者本人が自分で注射することは非常に難しいため、基本的には毎日注射のために通院する必要が出てきます。
その点、クロミッド®は内服薬を飲むだけで排卵誘発をしてくれるため、通院回数が少なく便利で、かつ注射よりも低予算で利用できるというメリットがあります。

仕事などの関係で不妊治療にかける時間や通院頻度を減らしたい、まずは注射よりも身体的・心理的負担の少ないかたちで始めたいという人には、適した薬剤といえるでしょう。

おわりに:不妊治療に使うクロミッドは、錠剤タイプの排卵誘発剤

クロミッドは、不妊治療において卵子の発達度合いや排卵のタイミングをコントロールしたいときに使用される、排卵誘発剤の一種です。生理開始から3~5日目を目安に5日間、毎日決まった時間に服用することで効果を発揮する内服薬になります。
注射タイプの排卵誘発剤に比べると、身体的・心理的負担が少なく使いやすい薬剤ですので、興味がある人は主治医に相談してみてください。

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