記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/9/5
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
切れ痔は、デリケートな部位の病気なので、病院にいくことをためらってしまうこともあるのではないでしょうか。
しかし、切れ痔を放置しておくことは、治癒までに長い時間が必要になってしまし、ひどいときには手術をしなければいけなくなることもあるのです。
この記事では、切れ痔を放置することのリスクと病院で治療を受けることのメリットについて解説しています。
切れ痔は放置したからといって治ることはなく、段階を経て徐々に悪化していきます。
肛門は血管がより集まっている部位のため、排便の際に力を入れていきむことで血液の一部が滞って腫れやすいという特徴があり、これが痔の原因になります。
また、便の固さを問わず、便そのものが肛門の皮膚を傷つけてしまうことも切れ痔の原因になります。これらの要因が絡み合って切れ痔はどんどん進行していくため、病院の受診をためらい放置していると、気がついたら手術が必要なほど悪化していたということになりかねません。
切れ痔を放置せずにすぐに治療するメリットは治療が簡易的に済むことです。
切れ痔はレベルがⅠ~Ⅳまで分類されており、Ⅰ度が最も軽度であり、Ⅳ度が最も重度です。Ⅱ度、Ⅲ度といった重症の手前であれば早い段階で治療ができれば、塗り薬や内服薬で治療を行うことができ、排便のコントロールができれば3~4日で治癒することができます。
しかし、重症であるⅣ度となると切れ痔の幅が広くなり、傷も深くなるため、薬では治癒することができずに手術が必要となってしまいます。また、治りが悪いと慢性化してしまいます。
それだけでなく傷の周りの肉が盛り上がるようになり、盛り上がった肉が肛門の中へ出っ張る肥大乳頭、いわゆる肛門ポリープができてしまいます。この肛門ポリープは肛門の皮膚そのものに比べて硬いため、肛門が開きにくくなり、便が出しにくくなる肛門狭窄という状態を引き起こします。このように切れ痔は放置しておくことで最終的には排便を出せなくなってしまうこともあるのです。
このことから、切れ痔は早期に治療をすることが強くすすめられます。
切れ痔を悪化させないためにはまず、放置をせずに早急に治療をするということが大切ですが、生活習慣を見直して予防や悪化防止に努めることも大切です。
切れ痔の最大の原因はいきみとなりますので、便をいきまずにスムーズに出せるような形態にする工夫が必要です。水分をたっぷりと摂り、加えて食物繊維の多く含まれる食品を積極的に摂ることでやわらかい形状の便となります。
また、お尻の清潔を保つことも大切です。排便後ウォシュレットやシャワーで肛門周囲を優しく洗ってあげましょう。入浴も清潔が保てるだけでなく血流も良好になるため痔の予防となります。そのため、普段シャワーしか入らない生活習慣の方は積極的に入浴をすることをおすすめします。
また、便意があれば我慢せずにトイレへ行くようにし、便が出そうであってもでてこないならばあまり長居せずしないようにしてください。5分経っても出なければ一旦諦めることをおすすめします。
切れ痔は放置しても治るという見込みはなく、むしろ繰り返してしまうことで慢性化していきます。また、切れた部分の周囲に肉がついてしまうと肛門ポリープとなったり、肛門狭窄の原因になったりします。
切れ痔を予防するためには切れ痔の原因となるいきみを極力しないよう、水分を多く摂ったり食物繊維の多い食べ物を積極的に摂って便を柔らかくしましょう。また、肛門周囲の清潔を保つことも切れ痔の予防には効果的です。日常生活からまずは見直してみてはいかがでしょうか。
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