おりものが生臭いのは細菌性腟症のせい?どうすれば消えるの?

2018/8/29

前田 裕斗 先生

記事監修医師

国立成育医療研究センター フェロー

前田 裕斗 先生

おりものが生臭いのは細菌性腟症によるものなのでしょうか?改善する方法はあるのでしょうか?細菌性腟症に伴うおりものについて解説していきます。

おりものが臭い…どこか悪いの?

細菌性腟症の症状

基本的には、細菌性腟症は無症状であることが多く、自覚症状として帯下(おりもの)の不快感がある場合でも軽症であることがほとんどだとされています。
また、腟分泌物の色は灰色である場合が多く、粘度が低い均質性のものです。
その他の症状として、以下のようなものが挙げられます。

  • おりものの量が多い
  • 淡い黄色をしている
  • 水っぽくてサラッとしている
  • 粘着性でべとつく
  • 魚臭い、生臭い、酸っぱい臭い

細菌性腟症は性感染症とは異なり、雑菌により腟内に炎症が起きる症状のため、比較的症状が軽い場合であれば、腟内環境の改善により自然治癒することがあります
しかし、腟から子宮、卵管、腹腔内へと感染が拡がると、高熱・下痢・嘔吐などの症状が出ることがあり、抗生剤治療が必須となるため早急に産婦人科で治療を受ける必要があります。

細菌性腟症で起こる臭いは、洗浄のし過ぎやストレスにより腟内の乳酸菌が減少し、雑菌が繁殖することにより発生します。細菌性腟症で起こる臭いはアミン臭といわれるもので、魚臭帯下とも呼ばれます。

細菌性腟症ってどんな病気?

通常の腟内には、乳酸桿菌(デーデルライン桿菌)と呼ばれる菌が多く存在していますが、腟内の過剰洗浄やタンポンの抜き忘れなどにより細菌性腟症になると、ブドウ菌、連鎖球菌、大腸菌などの病原菌が繁殖し、灰色がかった膿のようなおりものが出るようになります。

乳酸桿菌以外の細菌が過剰に増殖した細菌性腟症ではおりものの臭いや増加以外の症状はあまりないとされていますが、炎症を生じた場合はおりものの臭い以外にも、多量の膿状のおりものの排出や、腟の灼熱感、痛み、外陰部のかゆみなどの症状が起こります。

また、細菌性腟症のおりものには白血球の著しい増量が見られますが、性病(トリコモナス、クラミジア、淋菌など)の場合でも同様の状態が確認されるため、おりものを顕微鏡で採取・検査をした時に白血球の増加がある場合は、性病の検査を行う必要があります。

おりものの臭いはどうすれば消える?

細菌性腟症の治療方法は、局所療法と呼ばれる腟錠(腟坐剤)を使用するものと、薬の経口摂取を行う内服療法があります。

薬物療法

薬物療法には主に以下の方法があります。

  • メトロニダゾール1回500mgを1日2回、7日間連続内服
  • メトロニダゾール1回250mgを1日3回、7日間連続内服
  • メトロニダゾール1回250mgを1日1回、7-10日間連続で腟内へ挿入

治療初期では、薬剤の効果を高めるために滅菌蒸留水や生理食塩水を、0.025%塩化ベンザルコニウム液や10%ポピドンヨード液を使用して洗浄を行うことがあります。

セルフケア

  • 下着は通気性の良いものを使用したり、おりものシートを活用することで、雑菌対策を行いましょう。
  • ウォシュレットを使用する(その後十分に乾燥させる)、ナプキンをこまめに交換する、デリケート用のウエットティッシュを使用するなどの工夫をして、生理中や尿の拭き残しを防ぎましょう。
  • 濃いアンダーヘアは雑菌の繁殖の要因となるため、臭いが気になる人は処理するのもいいでしょう。
  • 外陰部や腟内を石鹸などで過剰に洗浄してしまうと、腟内の常在菌のバランスが乱れ、炎症を引き起こす原因となるため、シャワーのみで洗浄したりデリケートゾーン用の石鹸を使用して洗うようにしましょう。腟には元々自浄作用があるため、過剰な洗浄を行う必要はありません。

また、細菌性腟症以外にも子宮や卵巣の炎症が原因で臭いが発生することもあるため、以上のような雑菌対策を行っても臭いが気になる場合は、婦人科で診てもらいましょう。

おわりに:雑菌の原因となるストレスや腟の過剰な洗浄に注意を

細菌性腟症によるおりものの色は灰色である場合が多く、生臭いニオイも特徴のひとつです。ただし、おりものの臭いの原因は細菌性腟症以外にもいろいろあるので、気になったらすぐに婦人科などで診てもらうようにしましょう。

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