腸内フローラの「デブ菌」がダイエットの成功を左右する!?

2018/9/4

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

「デブ菌」「ヤセ菌」という言葉を聞いたことはありませんか?腸内細菌の一種であり、これらのバランスこそがダイエットの成功を左右するとして、近年注目を集めています。以降ではこのデブ菌を含む腸内フローラとダイエットの関連性について、解説していきます。

腸内フローラって?ダイエットとどう関連するの?

腸内フローラとは、腸内細菌が花畑(フローラ)のように、グループをつくってひしめきあっている様相を指す言葉です。

人間の腸にはおよそ1000兆個もの菌が生息しているとされ、これらの腸内細菌は、良い作用をもたらす「善玉菌」、悪い作用をもたらす「悪玉菌」、その時々によって作用を変化させる「日和見菌」の3種類に分類されます。これらの菌の生態系こそが腸内フローラなのですが、近年、この「日和見菌」には「デブ菌」と「ヤセ菌」が存在し、デブ菌が増えると太りやすくなり、ヤセ菌が増えるとやせやすくなるという説が注目を集めています。

「デブ菌」と「ヤセ菌」とは?

「デブ菌」とは、消化されたものを体内で溜め込んでしまう菌・フィルミクテス門のことで、脂肪細胞に栄養を取り込ませる性質を持っています。一方「ヤセ菌」とはバクテロイデス門という菌で、腸内で短鎖脂肪酸という物質を生成し、脂肪を溜め込みにくく、燃焼しやすくする性質があるとされています(いずれも医学用語ではなく、東京医科歯科大学名誉教授・藤田紘一郎先生が名づけた俗称になります。)。

そして研究によって明らかになったのが、食べてもやせている人の腸内にはヤセ菌・バクテロイデス門が多く、肥満の人の腸内にはデブ菌・フィルミクテス門が多く存在している傾向にあるということです。

また、デブ菌・ヤセ菌と太りやすさを関連づけた面白い研究結果も存在します。2013年のアメリカの科学誌「Science」の、人の腸内フローラをマウスに移植した結果の比較報告によると、「太った人とやせた人の腸内細菌をマウスに移植した結果、その間同じ餌を与えていたにもかかわらず、太った人の腸内細菌を移植したマウスは、やせている人の腸内細菌を移植したマウスよりも、脂肪がおよそ20%も増加していた」そうです。

上記は動物実験の結果ではありますが、少食なのに太ってしまうという方や、ダイエットをしてもほとんど痩せないという方は、デブ菌などの腸内フローラが原因の可能性があります。

デブ菌を減らすには?

デブ菌は高脂肪・高カロリーの食べ物を好むため、こうした食べ物を食べていると腸内でデブ菌がどんどん繁殖していきます。しかし、食物繊維の多い低脂肪の食べ物を摂取すると、逆にヤセ菌が増殖していくといわれています。

食物繊維を多く含む食べ物としては、キャベツ、モロヘイヤ、れんこん、ごぼうなどの野菜類、大豆製品、きのこ類、ひじきや海苔などの海藻類が挙げられます。また、このほかにも納豆や麹などの発酵食品や、乳酸菌を含むヨーグルトなども、腸内環境を整える効果があるとされるおすすめの食べ物です。これらの食べ物を、日々の献立に取り入れていきましょう。

おわりに:少食なのに痩せないのは、デブ菌のせいかも?

「食事の量も減らしているのに、全然痩せない」という方は、もしかすると腸内のデブ菌が多いためにダイエットが難航しているのかもしれません。ご紹介した食べ物を積極的に摂取して腸内フローラを整え、効率よくダイエットを進めてみましょう。

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