嚥下障害のとき、食事の用意で気をつけることは?水分補給のコツは?

2018/9/10

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

飲食物が円滑に飲み込めない「嚥下障害」になってしまった場合、食事の際にはどんなことに気をつけるといいのでしょうか。水分補給のコツと併せてご紹介していきます。

嚥下障害のとき、食事をとる姿勢はどうするといいの?

嚥下障害(えんげしょうがい)」とは、飲食物の飲み込みの障害です。食べにくさから栄養低下になる場合があるほか、飲食物が誤って気管に入ってしまい「誤嚥(ごえん)性肺炎」となって命の危険にさらされる場合があります。

誤嚥しないようにするには、正しい姿勢を保つことが大切です。自力で座れるなら、深く腰掛けた状態で足が床につく高さの椅子の膝が直角に曲る位置に座ってもらい、軽い前傾姿勢で腕を肘が直角になるように乗せられる高さのテーブルを使用するのがベストです。リクライニング車椅子やベッドなどであれば、腰はリクライニング部分に沿うようにし本人の希望に合わせながら45~80°くらいに保ちます。

あごは、気管が開かないよううつむいた状態であごの下に指が3本入るくらいの角度にします。必要に応じてクッションなどで首や背中を安定させましょう。安全な姿勢を確保したうえでエプロンをかけ、介護者は同じ目線で介助できるように横に座ってください。

嚥下障害の人に食事を用意するときのポイント

程度は人によって異なるものの、嚥下障害のある人にはサラサラとした水分は気道に落ちやすいため誤嚥のリスクが高く、またベタベタしたものやパサパサしたもの、硬いものなどは食べにくいといわれています。水分の誤嚥を避けるには、口や喉でまとまりがよくゆっくりと流れるよう、水の「とろみ」付け(半固形化)が重要となります。ただしとろみをつけすぎると、べたべたして逆に窒息の危険があるので注意が必要です。

現在では多様なとろみ剤(半固形化剤)が市販されているので、病院で相談しその人に適したとろみ剤ととろみのつけ方を聞くとよいでしょう。それでも飲み込みづらい場合はゼリー状のもので水分補給しましょう。食事は1日3度がベストですが、一度にたくさん食べられなければ10時、15時にも水分と栄養を補給します。食欲を維持してもらうために、栄養に神経質になり過ぎず好きなものを食べてもらうことも大切です。

嚥下障害になったら、水分補給も気をつけて!

水分は、自然な流れ込みにまかせず前傾姿勢で補給するようにし、意識して飲み込んでもらうことが大切です。急かさずに飲み込みを確認しながら主食・副食・水分を交互にティースプーンに軽く一杯分くらいずつ食べてもらうようにしましょう。

一回で口に含む水分の量や二回目に水分をとってもらうタイミングも重要です。飲む人の口元を見ながらゆっくりと少しずつ流し込み、咽喉が動くのを見たらやめるようにし、2回目以降はそのタイミングで介助するようにします。

人が1日に必要とする水分量は約2000mL、そのうち半分は水などの液体で補給する必要があるので、1日5回を目安にすると良いでしょう。嚥下障害が進み液状の水分がとれなくなった場合には、とろみをつけるかゼリー状のもので対応しましょう。

おわりに:できる対策をして、嚥下障害を未然に防ごう

嚥下障害の人の食事では、誤嚥に気をつけてうつむき加減にしてもらい、急がず飲み込む様子を確認しながら介助するのが基本です。また、水分の多いものは気管に流れ込みやすいため、とろみをつけたりゼリー状のもので水分補給するようにしましょう。できる対策をしっかり行い、嚥下障害を未然に防いでください。

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