早く知っておきたい!女性要因の不妊症と子宮内膜症について

2017/3/30

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

不妊症の要因の1つに子宮内膜症があります。
妊娠希望の方は、子宮内膜症に罹っていると妊娠できないリスクを負います。
今回は、女性原因の不妊症と子宮内膜症についてご説明します。

女性原因の「不妊症」について

不妊症は女性の場合、1年間、性行為があり避妊しなかったものの妊娠しなかった場合にみなされます。

不妊治療

不妊治療は、不妊症の原因に基づいており、女性の場合は卵巣を刺激する薬が必要な場合があります。これは卵巣が卵を増やして妊娠機会を増やすことに役立ちます。
他の薬は月経を6〜9カ月間止めるように設計されていて、このアプローチは、子宮内膜症の場合使用されます。
女性に対する非外科的治療の1つは、子宮内授精と呼ばれ、排卵の時期に女性の子宮に健康な精子を注入します。体外受精より安価なものの、複雑で、卵子を女性から取り出し精子と受精させ、子宮に戻す必要があります。
どの方法も確実に妊娠につながるというわけではありません。

不妊症の要因

妊娠を妨げるには、特定の要因がいくつかあります。
その要因があてはまるからといって確実に不妊症と言えるという訳ではありませんが、以下の要因が考えられます。
・痛みを伴う月経または不規則な月経
・年齢が35歳以上
・子宮内膜症または骨盤内炎症性疾患
・がん治療
以下では、上記の中から早急に判明しておきたい「子宮内膜症」についてご説明します。

不妊リスクもある「子宮内膜症」とは

子宮内膜症は、子宮の内膜の問題です。
子宮内膜は子宮内膜組織と呼ばれ、通常は毎月の月経における出血時で内膜が剥がれ落ちていきます。
子宮内膜組織は、通常、子宮内にのみ存在します。しかし組織が卵管を通って、卵巣、骨盤、膀胱または他の体の部分に増殖することがあります。この組織は月経時に、子宮の内膜と同じように腫れて出血します。これは痛みを伴うことが多く、瘢痕(はんこん)組織が骨盤領域に形成されることがあります。
子宮内膜症の治療中に妊娠は起こりません。
また、いくつかの研究では、子宮内膜症が卵巣がん(明細胞癌)になるリスクが高いことを発表しています。

症状

すべての女性に自覚症状があるわけではありませんが、一般的な症状は以下の通りです。
・月経困難や経血過多、月経不順
・性交中または性交後の痛み
・不妊
・排便困難
これらの症状は、他の病気の症状である可能性もあります。腹腔鏡検査(外科医が小型カメラで腹部を覗く外科的処置)が、確定診断を行う唯一の方法です。

治療法

治療法は複数ありますが、以下のものが一般的です。
・鎮痛剤
・ホルモン療法 – プロゲストーゲン
・ホルモン避妊法 – 例えば、ピル、避妊パッチ、または子宮内黄体ホルモン放出システム(IUS)
・エストロゲンを産生する器官を停止させて一時的に可逆的な閉経を引き起こすせる薬
重度の場合、卵巣や子宮を除去するために手術を行うケースもあります。

おわりに

子宮内膜症は年を重ねるにつれて悪化する可能性があるため、妊娠する可能性は時間とともに低下します。子宮内膜症を治療するために処方薬を服用している間は、リスクを考慮して妊娠しないことも重要です。
発症に対する不安やリスクを抱いている方は、早めに医師に診てもらうことが肝心でしょう。

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