守ろう! 子どもの命~自殺を予防するために~

2017/3/30

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

自らの命を絶つ自殺者数は減少傾向にありますが、依然として多くの命が絶たれているという厳しい現実には変わりありません。ここでは、自殺対策について考えてみたいと思います。

だれかに助けを求めましょう

人が「死にたい」と思うのには、必ず理由があります。「死にたい」と思っているときにその理由を問うのは難しいことかもしれません。自分では解決できる範囲を越えているときは、だれかに助けを求めてください。あなたはひとりではありません。あなたを愛し、愛おしく思う人がまわりにいるということに気づいてください。
だれかに相談することは、孤独や絶望の感情の先に選択肢があるということに気づきます。あなたと話をして、助けになりたいと思っている人が必ずいます。
自分がどう感じているのかについて、家族や先生、友人に話してみましょう。
もし、家族や先生、友人には知られたくないなら、いつでも電話をかけることができる「こころの健康相談統一ダイヤル」があります。匿名で自分がどう感じているのかを話すことができます。目の前の危機を乗り越えるために、相談員に話してみましょう。
こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556(おこなおう  まもろうよ  こころ)
厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000117743.html

電話がつながらないときは、全国にある「いのちささえる相談窓口」に連絡しましょう。

自殺総合対策推進センター「いのちささえる相談窓口」 http://jssc.ncnp.go.jp/soudan.php

医師の診察を受ける

心療内科や精神科の医師に診てもらうことも役に立ちます。うつ症状や不安などの精神的な問題は、適切な治療を受けることで改善します。
トーキングセラピーやカウンセリング、認知行動療法(CBT)は、自殺願望がある人々を助けるために使われることもあります。

子どもを自殺から助けるために

子どもが自殺を考えていたり、自傷行為をしているようなとき、以下のようなことを参考に対処してください。
・子どもがいつ、取り乱したり、内向的になったり、怒りっぽくなるのかを理解する
・悩みごとについて話を聞き、いっしょに解決策をみつける
・鎮痛薬を含むすべての薬をしまい込む
・医師やカウンセラーに話すことを勧める

国の取り組み

平成 28 年に施行された「改正自殺対策基本法」に基づいて、厚生労働省の自殺総合対策推進センターでは、学際的な観点から自殺対策に取り組むために民間団体を含めた地域の自殺対策を支援しています。
その重点施策の一つとして、医師をはじめ教職員、保健師、看護師、ケアマネージャー、民生委員、児童委員、各種相談窓口担当者など関連するあらゆる分野の人をゲートキーパー(命の門番)として、自殺のサインに気づき、声をかけ、話を聞き、見守り、必要な支援につなげる取り組みをしています。

おわりに:親は子どもの命の門番

親にとって、子どもが命を絶ってしまうというのは衝撃的です。また、子どもを「自殺」という状況に追い込んでしまう理由はさまざまです。しかし、理由には必ず解決策があります。どんなに時間がかかっても解決できるはずです。もっと子どもに目を向け、向き合って、ひとつしかない大切な「命」を守ってあげたいですね。

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